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国内レース他 ニュース

投稿日: 2018.01.16 13:20
更新日: 2018.01.16 16:15

スーパー耐久開幕戦は鈴鹿四輪史上最多となる60台による5時間耐久バトルに

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国内レース他 | スーパー耐久開幕戦は鈴鹿四輪史上最多となる60台による5時間耐久バトルに

 2018年も全6戦の開催が予定されているスーパー耐久シリーズ。その幕は2008年以来となる鈴鹿サーキットで久々に開くことになる。当時のスーパー耐久はST-1クラスからST-4クラスまでの4クラスで争われていたが、今では8クラスにまで倍増し、車種のバラエティばかりでなく、エントリー台数も増加している。特にここ数年は年間エントリーだけで約60台となっており、2018年もその数に勝るとも劣らぬ参加台数になるに違いない。

 その参加台数の多さに対応すると同時に、スーパー耐久に新たなレーススタイルを提案し続けてきた鈴鹿サーキットは、2018年の開幕戦を行うにあたってスーパー耐久の原点に立ち返る方針を打ち立てた。1台の予選落ちを出すことなく、全車が一斉にスタートを切り、過去2年間より1時間増となる5時間の長丁場の舞台を用意したのだ。

 そのため開幕戦鈴鹿のグリッドの数は60と、鈴鹿サーキットにおける四輪レースの史上最多となり、それだけの数が並び、かつ走るマシンの姿を見るのは、まさに圧巻の光景となるだろう。

 2017年のスーパー耐久鈴鹿は4時間のレース時間で行われ、レース内容としては特にST-Xクラスでは目まぐるしくトップが入れ替わり、まさに熾烈なバトルの連続だった。だが、今年はレース時間が1時間増やされたことで戦術に違いが出るはずだ。

 前回優勝を飾った植松忠雄/星野一樹/藤波清斗組のY’s distraction GTNET GT-Rは、予選2番手ながらスタートでトップに立つ積極策を採り、途中何度も順位を変えたものの、終盤のバトルの末にトップに復帰し、ゴール間際には逃げ切りに成功した。

トップを争うY’s distraction GTNET GT-RとARN RACING

相性のいい鈴鹿で久々の勝利を飾ったY’s distraction GTNET GT-R

 だが、同じようなレース運びは、そう簡単には許されまい。マシンへの負担は増すリスクをどうとらえるか。案外、序盤はまわりの動向を見つつ抑えめで走って、終盤に余力がどれだけあるか確認したところで、勝負を仕掛けるといった展開もあるかもしれない。総合トップ争いだけでなく、すべてのクラスにおいて前回以上に熾烈なバトルを期待したい。

 鈴鹿サーキットで行われる開幕戦を含め、2018年のスーパー耐久にはいくつかの変化がある。まずはコントロールタイヤのサプライヤーがピレリに変更されたこと。メーカーが異なれば特性にも違いが生じて然り。その違いをいち早く把握して、セッティングやドライビングの適正化をはかったチームが、シリーズを有利に戦うこととなるだろう。まして鈴鹿サーキットのレースは開幕戦とあって、たとえ同じ車両でも予想以上の差がつく可能性も考えられる。

 続いてクラス区分にも変更がある。従来は2001~3500ccの車両は、四輪駆動(4WD)であればST-2クラス、二輪駆動(2WD)であればST-3クラスを戦ってきたが、2018年からはST-2クラスに前輪駆動(FF)も加えられ、ST-3クラスは後輪駆動(FRとMR)に限定されることとなった。2017年にも出場していた車両として、唯一マツダ・アクセラがクラスを移すこととなるが、その影響がどう表れるのか注目されるところである。

 そしてドライバー編成にも変わる。従来は一部のレースを除き、2名もしくは3名のドライバー登録しか認められなかったが、これが常時4名までの登録が可能になった。また、ST-XクラスとST-Zクラス、ST-TCRクラスに3グレードのドライバー規定を設け、プラチナドライバーに関して変更はないが、ジェントルマンドライバーに関しては35歳以上の「アマチュア」ドライバーと明記。いずれにも当てはまらないドライバーは「エキスパートドライバー」と称されることとなり、特に乗車時間の上下限は定められていない。

 また、国内レースとしては初めて、フルコースイエロー(FCY)+ゾーン50規定が導入される。いずれもコース上の安全確保のためであり、FCY状態は全ポストの黄旗振動と「FCY」と記されたボード提示で告げられ、以降は一列縦隊として一切の追い越しが禁止される。さらに撤去場所や特に危険な場所の直前ポストでは「ZONE50km」と記されたボードが提示され、その場合は直ちに50km/hまで減速しなくてはならない。

2017年に新設されたST-TCRクラス。鈴鹿戦では98号車Modulo CIVIC TCRが勝利

 2018年始まったばかりではあるが、エントリーリストは増えそうな兆しだ。撤退や休止をほのめかしているチームはほぼ皆無で、むしろ新規参入のチームや初導入の車両の噂もあることから従来以上の賑わいを見せるのは間違いない。その中には、2017年に最後まで不成立だったFIA-GT4によるST-Zクラスも……。開幕戦鈴鹿では、スーパー耐久史上初の8クラス競演にも期待したいところだ。

 すべてのビッグレースに先駆けて、春休み真っただ中の3月31日(土)、4月1日(日)に開幕するスーパー耐久。熾烈なバトルをぜひ堪能してほしい。


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