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国内レース他 ニュース

投稿日: 2019.04.19 10:52
更新日: 2019.04.19 11:01

いよいよ2019年の全日本F3選手権が開幕。“上”へのチャンスを掴むのは誰だ?

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国内レース他 | いよいよ2019年の全日本F3選手権が開幕。“上”へのチャンスを掴むのは誰だ?

 4月20〜21日、三重県の鈴鹿サーキットで2019年の全日本F3選手権が開幕する。第1ラウンドのエントリーリストが4月17日に掲載されたが、今季は15台が参戦することになった。新たなチャンピオンをつかみ、ステップアップのチャンスを得るのはどのドライバーになるだろうか……!?

 1979年に始まった全日本F3選手権は、今年で41年目。これまで40人のチャンピオンが生まれ、F1までステップアップしたドライバーもいれば、多くは日本、そして海外でトップクラスのドライバーに登り詰めている。

 そんななか2018年は、チャンピオンを獲得した坪井翔が全19レースのうち17勝を飾る圧倒的な成績を収め、今季全日本スーパーフォーミュラ選手権とスーパーGT GT500クラスにステップアップを果たしている。今季はどのドライバーが“上”へのチャンスを掴むのか。台数はそこまで多いとは決して言えないが、濃密なメンバーがそろうことになった。

 チャンピオン候補の最右翼と言えるのは、坪井に代わってカローラ中京 Kuo TEAM TOM’Sのエースナンバー36をつけて戦う宮田莉朋だ。昨年は第6戦富士で初優勝を飾り、第7戦も優勝。ランキング2位につけている。2年連続のFIA-F4チャンピオンでもあり、全日本F3での3年目となる今季はチャンピオン獲得が至上命題だ。これまでのテストでは数多くトップタイムをマークしていたが、「(坪井がいた)昨年までだったらトップではないはず」とより高みを狙っている。

 ただそんな宮田だが、今季は大きなプレッシャーと強力なライバルたちとの戦いに打ち勝たなければならない。昨年坪井が17勝という成績を収めており、否が応でも比較される上に、多くの強力なライバルたちが宮田の前に立ち塞がろうとしているからだ。

■有力外国人ドライバーたちが全日本F3に登場

 そのライバル候補の筆頭と言えるのが、サッシャ・フェネストラズ(B-Max Racing with motopark F3)だ。2018年まではFIAヨーロピアンF3を戦い、マカオGPではダニエル・ティクトゥム、ジョエル・エリクソンというF1を狙うドライバーたちに続く3位を獲得。今季は日本での活動を見出すべく、全日本F3とスーパーGT GT300クラスに参戦する。フェネストラズは今季、日本のコースを覚え、かつ成績を残し来季のSF参戦とGT500のシートを狙っている。

 すでに12月に行われたテストから参加しているフェネストラズだが、その速さは疑いようがない。多くの関係者が「今年は宮田とサッシャの戦いになる」と読み始めている。フェネストラズ自身もまだ課題は感じつつも、宮田との一騎討ちを感じている様子だ。「日本に来てとても充実した日々を過ごしているよ。全日本F3とスーパーGTというふたつのシリーズに参戦できるしね」とフェネストラズ。

 ちなみに、フェネストラズのマシンにつけられている『MAISON FENESTRAZ』は自身の実家。フランスやアルゼンチン、ブラジル等で多数の超高級ホテルを運営している。資金力もあるドライバーだが、本人はかなり気さく。今後ファンが増えそうな存在だ。

 B-Max Racing with motoparからは、今季フェネストラズに加え、昨年ヨーロピアンF3で2勝を飾ったエナム・アーメドと、インド人ドライバーのアメヤ・ベイディアナサンというふたりが参戦する。ふたりはまだチームと一度しかテストに参加しておらず、まだ慣れが必要と思われるが、トップ争いに絡んできそうな存在だ。ちなみにベイディアナサンは、過去に日本語を勉強したことがあるそうで、かなり流暢に操る。

 また、今季2台体制となるOIRC Team YTBから参戦するフランス人ドライバーのシャルル・ミレッシも興味深い存在だ。スーパーフォーミュラのテストにも参加していたミレッシは、これまで海外ではそこまで多くの戦績を残していたわけではないが、今季に向けた2回のテストで宮田、フェネストラズに次ぐタイムをマークしており、注目度が高い。

■迎え撃つ日本勢も粒ぞろい。マスタークラスも新設

 もちろん日本人ドライバーたちも、外国人ドライバーたちに負けないメンバーが揃っている。宮田のチームメイトとなる小高一斗は、今季が全日本F3選手権初参戦。テストでは首などやや体力面での不安を語っていたが、それでもその才能に疑いようはない。開幕から宮田に次ぐポジションを狙っているだろう。

 また、今季表彰台を争うメンバーと言えるのが、THREEBOND RACINGから全日本F3復帰を果たした大津弘樹、TODA RACINGから2年目のF3を戦う大湯都史樹、そして同じく2年目の河野駿佑(RS FINE)、F3参戦歴も長い片山義章(OIRC Team YTB)だ。

 大津は2017年の最終戦で優勝を飾り、昨年はスーパーGTに参戦。今季はひさびさにフォーミュラ復帰を果たす。THREEBOND RACINGには、大津がふだんスーパーGTでともに過ごすメンバーも多く、「『今回GTじゃないよな?』と感じるくらい(笑)。まったく違和感はないです」と開幕直前の参戦決定ながら、すぐに実力を発揮しそうだ。

 他のHFDPドライバーたちに負けないためにも、大湯は今季結果が欲しいところだが、オフのテストではなかなか目立つタイムを残せなかったのは気になるところだ。また、河野は昨年はチームもF3がひさびさの参戦でデータも少なかったが、今季は河野自身もF3に慣れ、「1年目に比べると高いところからスタートできます」とトップ争いを期待する。片山はこれまで長年1台体制だったが、今季は2台体制。名門カーリンの力が入り、躍進に期待がかかっている。ただ富士テストの際にモノコックを傷めており、それがどう影響するか。

 チームを移籍した三浦愛(THREEBOND RACING)や、速さを磨くためたゆまぬ努力を続けるDRAGON(B-Max Racing with motopark)や山口大陸(TAIROKU RACING)も上位争いへ向け虎視眈々だ。なお今季から全日本F3選手権には、『マスタークラス』というカテゴリーが設けられた。各レースごとにクラスにエントリーした40歳以上のジェントルマンドライバーと、女性ドライバーを対象に日本フォーミュラスリー協会が表彰するというもの。女性ドライバーも対象だが、今回三浦はエントリーしていない。DRAGON、山口、そして久保田克昭(Planex スマカメ・F3)が対象だ。

 今季の全日本F3選手権は、ひょっとすると毎戦のようにウイナーが変わる展開になるかもしれない。少数精鋭の争いにぜひご注目いただきたい。

2019 全日本F3選手権第1ラウンド鈴鹿 エントリーリスト

No. MC Driver Car Name Car
2 大湯都史樹 TODA FIGHTEX F319/トダTR-F301
5 M 久保田克昭 Planex・スマカメ F3 F315/トヨタ-トムスTAZ31
7 シャルル・ミレッシ YTB by Carlin F317/スピースA41
8 片山義章 YTB by Carlin F315/スピースA41
11 サッシャ・フェネストラズ B-Max Racing with motopark F3 F314/スピースA41
12 大津弘樹 ThreeBond F318 F318/スリーボンド東名TB14F3
13 三浦愛 ThreeBond F314 F314/スリーボンド東名TB14F3
28 M 山口大陸 タイロクレーシング28号 F315/スピースA41
30 M DRAGON TEAM DRAGON F3 F314/スピースA41
35 河野駿佑 RS FINE K&N F318 F318/HWA 414
36 宮田莉朋 カローラ中京 Kuo TOM’S F317 F317/トヨタ-トムスTAZ31
37 小高一斗 カローラ中京 Kuo TOM’S F317 F317/トヨタ-トムスTAZ31
51 アメヤ・ベイディアナサン B-Max Racing with motopark F3 F315/スピースA41
65 エナム・アーメド B-Max Racing with motopark F3 F312/スピースA41

MC:マスタークラス


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