今年、開催19年目のシーズンを迎えたポルシェカレラカップジャパン（PCCJ）は、日本国内のワンメイクレースとしてもっとも長い歴史を誇るとともに、スピード、迫力でも国内トップクラスを誇っている。参戦ドライバーのレベルも、プロを目指す若手ドライバーとトップアマチュアのジェントルマンドライバーが切磋琢磨しながら年々アップしてきている。
このPCCJには、ポルシェディーラーも参戦してシリーズを盛り上げているのをご存じだろうか。そのディーラーチームのひとつが今年の4月に愛知県にオープンした『ポルシェセンター岡崎』で、長年PCCJに参戦しているナインレーシングが母体となっている。
『ポルシェセンター岡崎』の永井宏明代表は、2012年にPCCJでレースデビューを飾っている。しかもデビューイヤーに、ジェントルマンクラスでクラスチャンピオンを獲得。翌2013年から2015年までの3年間は、いずれもシリーズチャンピオンの称号がかかった上位クラスで毎年表彰台に上がる活躍を見せ、2016年からはスーパーGTのGT300クラスに参戦している。
そして永井宏明代表の弟である永井秀貴も、2016年よりPCCJジェントルマンクラスからの参戦を開始。今シーズンの第2戦岡山大会で嬉しい初優勝を飾り、続く第3戦富士大会でも優勝と2連勝を成し遂げている。
また、昨年までPCCJ ジュニアプログラムドライバーとして2年連続でシリーズランキング2位を獲得した上村優太が今年から同チームに加入。チームのエースドライバーとして開幕戦でポール・トゥ・ウインを成し遂げると、第3戦、第4戦でも優勝と今シーズン3勝を上げて、今年のPCCJ ジュニアプログラムドライバーである笹原右京とシリーズチャンピオン争いを展開。
残念ながら第10戦終了時点で上村のシリーズチャンピオン獲得の可能性はなくなってしまったが、最終戦の結果次第でオーバーオールランキング2位確保となる。なお『ポルシェセンター岡崎』は、3台のマシンが参戦していてチームランキングも2位と躍進しており、PCCJになくてはならないチームへと成長している。
ディーラーチームとしてPCCJに参戦する意義を、永井宏明は次のように語る。
「私どもは、今年からポルシェ正規販売店になったことをきっかけに、日本最高峰のワンメイクレースであるPCCJへの参戦チーム名を“ポルシェセンター岡崎”に変更しました。ポルシェを愛するお客様は、やはりスポーツカーへの憧れを強く持たれている方が多いので、会社のイメージをモータースポーツと繋げたいという思いがあります」
「また、チームのメカニックたちもディーラーの社員で構成していますので、彼らの技術力アップも兼ねて出場しています。お店には、レースに参戦しているカップカーも展示していますので、来店されたお客様で展示車両を見て興味を示す方も多いですね」
「そこで、当店はカレラカップに参戦していますとお話をさせて頂くと、モータースポーツの話題からお客様との話も自然に盛り上がっていきますので、当店の魅力のひとつになっていると思います」
「もちろんお客様の幅は広く、サーキットを愛車で走ってみたいという方、スポーツカーで遠出のドライブを楽しみたいという方、などもいらっしゃいます。そういうお客様も含め、PCCJ参戦で培った高い技術でお客様をサポートしていきたいと考えています」
PCCJを盛り上げているのは、実際にレースへ参戦しているディーラーだけではなく、PCCJのスペシャルサポートディーラー（下記の地図参照）である全国のポルシェ正規販売店の存在も忘れてはならない。スポーツカーメーカーとして多くの人々から愛されているポルシェは、モータースポーツの運営に当たっても多くのディーラーやユーザーに支えられて実施されているのだ。このように幅広い人々からサポートを受けるPCCJは、日本のトップワンメイクレースとして、さらなる進化を遂げようとしている。
