童夢は9月10～11日の2日間に渡り、岡山国際サーキットで新型マシン『童夢F111/3』のシェイクダウンを行った。あわせて、このマシンを使った新シリーズ『FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP（フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ』を2020年に開催する計画も明らかにしている。
童夢が開発を進めてきたF111/3は、FIAがこれまでのF3規格に代わって、世界で導入を進めている『フォーミュラ・リージョナル・サーティファイド・バイ・FIA』（FIAリージョナルF3）向けのもの。童夢にとっては日本のFIA-F4選手権で使われてるワンメイクシャシー『F110』以来、5年ぶりの新型モデルとなる。
マシンはモノコックやボディワークなどがCFRP（カーボンファイバー）製となっており、FIAが定める高剛性や軽量性、コクピット頭部保護デバイス『ヘイロー』の装着といった要求を満たしている。
またFIAが今後導入を検討しているという人間工学デザインも先行して導入しており、「操縦者の身長体重の違いによる居住性、操縦性を向上」させたほか、日本の高温多湿な環境に対応するパワーユニット冷却性能、整備性も確保した。搭載するエンジンは最高出力270馬力の1750cc直列4気筒インタークーラー付ターボ。ギヤボックスは6速バドルシフトを積む。
コストについてはFIAが定める車体7万7000ユーロ（約915万円）、エンジン2万3000ユーロ（約273万円）という価格に準拠しているほか、スペアパーツなどもすべてFIAの規定価格に適合しており、ランニングコストも削減されているという。
そんなF111/3のシェイクダウンは9月10日、岡山国際サーキットで行われ、全日本F3選手権やル・マン24時間、全日本GT選手権／スーパーGTなど幅広いカテゴリーに参戦経験がある加藤寛規と、TCRジャパンやアジアンF3などを戦う金丸ユウのふたりが担当。大きなトラブルなく走行を終えた。
シェイクダウンを担当した加藤は「シェイクダウンということでトラブルシューティングを目的と思って乗り込みましたが、いろいろな乗り方を試しても車体にトラブルも無く、感触は良かったです」とマシンの感触を語っている。
「コクピットも広く居住性にも優れていました。また、さまざまな車両に乗ってきましたが、しっかりとダウンフォースが出ていて安定しているので、ジェントルマンドライバーの方にも乗ってもらえると思います」
同じくシェイクダウンでステアリングを握った金丸も「トラブル出しがメインのセッションになると思われましたが、僕の2セッションはインテーク以外のところ、マシン自体のテストをしっかりこなすことができました。テストではセットアップの面でもいろいろ試すことができ、とても初めてクルマを転がすとは思えないほどの出来栄えでした」と印象を明かしている。
なお、今後は全日本F3選手権を戦っている片山義章によって、引き続きテストが重ねられる予定だ。
車両シェイクダウンにあわせ、2020年から童夢F111／3を使ったFIA公認のフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップを開催するべく準備を進めていることもアナウンスされた。こちらの詳細は9月27日に行う記者会見で発表するとしている。
