全8戦で争われる、GAZOO Racing 86/BRZ Raceも、いよいよ残すは2戦。シリーズ第7戦がツインリンクもてぎで9月14~15日に開催され、プロフェッショナルシリーズでは谷口信輝(KTMS 86)が2連勝でランキングトップに立ち、クラブマンシリーズのEXPERTクラスでは鶴賀義幸(栃木トヨタBS ED/T2F86)が初優勝。OPENクラスでは安藤正明(C名古屋86Racing)が3勝目をマークした。
9月も半ばともなると、だいぶ秋の雰囲気を感じさせる気候となり、1レース開催となったもてぎ戦も秋を感じるなかでの戦いに。
クラブマンシリーズのOPENクラスは、安藤がポールポジションを獲得。前戦の十勝戦を欠場したため、ランキングトップの座を明け渡していたが、ここで1ポイントを加えることとなった。
一方、ランキングトップの志賀俊方(C.S.I GR水戸インター86)は9番手に留まっていた。安藤に続く2番手は西澤嗣哲(C-ENGテックMS 86)が、そして3番手は廣田光一(BLAZE BRZ)が獲得している。
クラブマンシリーズのEXPERTクラスでは、ワンアタックをそつなく決めていた鶴賀が、初めてのポールポジションを獲得した。
「普通に走っていては内圧が上がりきらないことは分かっていたので、思い切りマシンを振ってタイヤを温め、なんとか1周で決めました」と鶴賀。
「ホームコースですし、栃木トヨタの社員の方がいっぱい見ていたので、少し緊張しましたが、四脱(四輪脱輪)はたぶん大丈夫だろうと思うくらい攻めることができました。決勝で逃げきれるような展開にはならないかもしれませんが、十勝の雪辱を晴らしてみせます」
2番手は岩本佳之(C名古屋メサイヤ86)で、その背後にはランキングトップの橋本洋平(カーウォッチBS 86 revo)、そして2位の水野大(GRガレージ新大阪86 DL)が続いた。
併催されたピレリスーパー耐久のセッションを経て、路面にラバーが乗ったことで、コンディションの大幅な変化を察知したのか、プロフェッショナルシリーズの予選では、誰もすぐにはコースインせず。ほとんどのドライバーがラスト5分からアタックを開始するという、さながらスーパーGT GT500クラスのような光景が見られた。
全員がクリアラップを取れたとは思えない状況のなかで、トップタイムを記録したのが谷口だった。
「前のクルマとは距離が近すぎて1コーナーを立ち上がったら、さらに近づいて『やばい、これはどこかで引っかかる』と思っていたら、そのクルマが3~4コーナーで脱輪してビュ~ンと飛んでいって『ありがとう、ここまで引っ張ってくれて』という形に」と谷口。
「そこからは1周をいい形でまとめることができて。いいタイムが出たなと思って1~2コーナーの電光掲示板を見たらゼッケン1がいちばん上にあったから、やった~って(笑)」
「(タイトルを争う)直接の相手が沈んでいるので、今回で逆転したいですね」
谷口の言う直接の相手とは、ランキング2位の谷口をポイントで囲む、近藤翼(神奈川トヨタDTEC86R)と堤優威(ADVICSカバナBS 86)。それぞれ17番手、11番手と予選では後方に沈んだ。
一方、2番手はスポット参戦の山下健太(千葉トヨペット勝又グループ86)が獲得。3番手相当のタイムを服部尚貴(OTG DL 86)が記録していたが、四輪脱輪のペナルティで抹消されて最後尾に後退し、繰り上がって阪口良平(大阪トヨタ86Racing)が3番手につけた。