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国内レース他 ニュース

投稿日: 2019.09.24 19:24
更新日: 2019.09.24 19:25

FIA-F4 SUGO:佐藤蓮が連勝で王座確定。シリーズ初の二桁勝利にも自信

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国内レース他 | FIA-F4 SUGO:佐藤蓮が連勝で王座確定。シリーズ初の二桁勝利にも自信

 2019年のFIA-F4選手権第6大会が、スポーツランドSUGOで9月21~422日に開催され、予選でベストタイム、セカンドベストタイムともにトップタイムをマークした、三宅淳詞(HFDP/SRS/コチラレーシング)がWポールを獲得。しかし、決勝レースでは2戦ともに予選2番手から好スタートを切った佐藤蓮(SRS/コチラレーシング)が優勝し、土曜日に行われた第11戦でシリーズチャンピオンを獲得している。

 前大会のオートポリスで、昨年、角田裕毅が記録していた最多勝記録の7勝に並び、チャンピオンに王手をかけていた佐藤。だが、SUGO入りして木曜日、金曜日に行われた練習走行では、一度もセッションのトップに立てず、苦しんでいるかに思われた。

 土曜日の予選でも開始早々、タイヤにフラットスポットを作ってしまい、「この予選はもう終わりだ」と一時は思ったというが、ピークを過ぎながらも機能するようになったタイヤで、終盤に2番手となるタイムを連発する。

 一方、2戦ともポールポジションを奪ったのは三宅。「SUGOではクリアラップが取れた人が、前に行ける展開に練習中からなっていましたので、予選でもそうなるだろうと。タイヤのピークの時にクリアを取り続けられるよう作戦を立てて、それがすごくうまくいった感じです」と語る。

 そして、「僕にはもう(チャンピオン獲得の)権利はないですが、あっさり(佐藤の)チャンピオンが決まるとみなさんもつまらないと思いますから、前回は失敗しているスタートを今回は決めて、しっかり逃げたいと思います」と、“ストップ・ザ・佐藤”を誓っていた。

 第11戦のセカンドロウに並んだのは、太田格之進(SRS/コチラレーシング)と菅波冬悟(OTG DL F110)。ともに首の皮一枚ではあったが、逆転チャンピオンの権利を残していただけに、何はともあれ、スタートでふたりとも佐藤の前には出たいところ。

スポーツランドSUGOでの第11戦、2番手スタートの佐藤蓮(SRS/コチラレーシング)はスタートでトップに浮上した
スポーツランドSUGOでの第11戦、2番手スタートの佐藤蓮(SRS/コチラレーシング)はスタートでトップに浮上した

 しかし、誰より鋭いスタートを決めたのは佐藤だった。一方、三宅は「今回は動き出しから後輪を空転させてしまい、まったく前に進まない状態」となり、またしても佐藤の先行を許してしまう。

 その後も三宅だけが佐藤に食らいついていく状況のなかで、3番手を走行していた太田にはスタート違反があり、ドライビングスルーペナルティが課せられてしまう。これで3番手に浮上したのは予選6番手だった木村伊織(Silver Star Racing)ながら、前のふたりを追いかけることができないばかりか、平木玲次(Media Do ADVICS影山F110)と川合孝汰(DENSOルボーセIPG F4)に近寄られ、防戦一方に。

 9周目には、その3番手争いにも決着が。まずストレートで平木をかわした川合が、続く1コーナーで木村のインが空いたのも逃さず前に出る。その直後の2コーナーで木村は、アウトの芝生に足を取られてスピン。その際に軽く接触した平木にはダメージはなかったようだが、サンドトラップに捕らわれた木村は無念のリタイアとなった。

 そして、その直後にセーフティカーが。徐々に三宅との差を広げていた佐藤ながら、リスタートは大得意。13周目からバトルが再開されるも、三宅を再び寄せつけず。そのまま逃げ切って、最多勝記録更新となるシーズン8勝目をマークするとともに、5代目チャンピオンに輝くこととなった。

「最高の形で(チャンピオンが)決まったので、とりあえずホッとしたというのが大きいですね。スタートが大事だと思っていて、そこが決まったから完璧なレースでした。最後は無理しないで、確実に走っていました。去年、苦労したことを今年につなげることができて、すごく自分としてもレベルの上がったシーズンだと思います。さらに最多勝記録は伸ばします」と佐藤。2位は三宅が、そして3位は川合が獲得した。

 日曜日は天候悪化が心配されたが、なんとか第12戦決勝レースの間は、ドライコンディションがキープされた。今回のセカンドロウに並んだのは、平良響(FTRSスカラシップF4)と平木。ともにトップ争いの攪乱に、期待がかかったのだが……。

 三宅は今度こそスタートを決めるも、佐藤への牽制が裏目に出た感も。1コーナーに向かってまっすぐ加速していった佐藤が、しっかりインを抑えてトップに浮上。早々と後続を引き離しにかかる。3番手は平良で、平木は順位を落とし、代わって4番手には野中誠太(FTRSスカラシップF4)が浮上する。

佐藤蓮(SRS/コチラレーシング)は第12戦でもトップの座を譲らない盤石の走り
佐藤蓮(SRS/コチラレーシング)は第12戦でもトップの座を譲らない盤石の走り

 今回は徐々に逃げ続けていた佐藤ながら、8周目からまたしてもセーフティカーが導入される。三宅との間にあった2秒の差を失うも、リスタートでは完璧に間合いを外させたところで加速し、やはりそのまま逃げていった。

 一方、3番手争いが壮絶に繰り広げられ、平良、野中、平木、川合、菅波が一列で続く。しかし、しっかりガードを固め続けた平良が表彰台を獲得した。

最終戦を前に2019年のFIA-F4選手権チャンピオンを獲得した佐藤蓮(SRS/コチラレーシング)
最終戦を前に2019年のFIA-F4選手権チャンピオンを獲得した佐藤蓮(SRS/コチラレーシング)

 9勝目を挙げた佐藤は、「自分は、レース中はミスしないので、スタートで前に出られれば勝ちかなと。スタートだけ集中して、いつものレースをしました。どんどんシーズンを通じて安定したレースができるようになっているので、もっとレベルを上げていけるよう頑張ります。このままあと2戦も勝ちます!」とコメント。残る2レースも制して二桁勝利達成なるか。

 インディペンデントカップでは第11戦で5勝目を挙げた、佐藤セルゲイビッチ(結婚の学校フィールドモータースポーツ)が王手をかけ、第12戦ではDRAGON(TEAM DRAGON)の3勝目を許したものの、自らも3位でゴールしてチャンピオンを獲得した。


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