9月27日、全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦が開催されている岡山国際サーキットで、2020年からスタートする『フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ』の開催に向けた記者発表会が行われた。2020年は富士24時間でのサポートイベントを皮切りに、6大会14レース以上が予定されているという。
近年、FIA国際自動車連盟を中心にF1を頂点としたF2、F3、F4といったシングルシーターのカテゴリー再編が進められているが、そんななか日本が誇るシャシーコンストラクターである童夢が、地域F3カテゴリーに当てはまる『フォーミュラ・リージョナル・サーティファイド・バイ・FIA』（FIAリージョナルF3）向けに、童夢F111/3シャシーを開発。9月10〜11日に岡山国際サーキットでシェイクダウンが行われていた。
そんな童夢F111/3シャシーを使うシリーズの開催に向け、9月27日に行われた記者会見には、童夢の髙橋卓也社長、中村卓哉取締役、そしてJRP日本レースプロモーションの倉下明社長、さらにピレリスーパー耐久シリーズを運営するK2プラネットの桑山晴美社長が出席した。
この日の会見では、2020年から始まるフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップは、K2プラネット内にフォーミュラ・リージョナル事務局（FRS）が開設されプロモーターを担当。JRPが運営協力を行い、童夢はサーキットサービスや車両運搬等を担当する予定であることが明らかにされた。
現在関係各所と調整中であるため、詳細については11月初頭に発表される予定だが、開催コースについては、まずスーパー耐久富士24時間の際に開幕戦を開催。「Youtubeライブで世界に発信したい」と桑山社長は語る。さらに6月26〜28日に岡山国際サーキット、7月31日〜8月2日にオートポリス、8月21〜23日にスポーツランドSUGOで開催に向けて申請が行われている。残りの2大会が予定されており、6大会14レースが計画されている。
「日本のモータースポーツがアジアとともに発展していくように、カテゴリーの垣根を越えて力を尽くしていきたいと思っています」と桑山社長は語った。
また、競技運営や車検等で協力を行うJRPは、すでに発表されているとおりスーパーフォーミュラ・ライツとともにシリーズに関わることになる。「GTAが行っているFIA-F4、リージョナルフォーミュラ、そしてスーパーフォーミュラ・ライツと、スーパーフォーミュラを頂点としたピラミッドのなかで盛り上がっていくことをJRPとしても心より願っています。微力ながらそれぞれのシリーズにできる協力を来季から行っていきたいと思います」と倉下社長。
童夢の中村卓哉取締役から説明されたF111/3の概要については、FIAが定めるリージョナル規格に沿って製作されており、FIA-F4同様コストキャップが厳しく制限される。車体が7万7000ユーロ、エンジンが2万3000ユーロと、合計10万ユーロとなる。日本円で1200万円で設定されており、童夢はその価格で販売することになる。
また、FIAが求める厳しい安全性をクリアしているほか、FIA-F4からの活動を通じて、カスタマー目線からのメンテナンス性や部品の入手等、サーキットサービスも童夢が力を入れていくポイントだ。さらに日本ならではの猛暑や、ドライバーの体格差についても、しっかりと居住性を確保できることが開発テーマとして重視された。
「童夢としては構想段階からシングルシーターコミッションに参加しており、安全面やクルマづくりについて検討を重ねてきました。車両規格が決まった段階で開発をはじめ、今日に至っています。FIA-F4のF110から、5年ぶりに発表するシングルシーターです」と童夢の髙橋社長。
「日本のドライバーだけで無く、世界中のドライバーが参戦してくれればと思っています」
岡山国際サーキットでお披露目された童夢F111/3は、これまでのF3マシンと比べてもかなり大柄で、今までにない印象を受ける。国際的な流れのなかで生まれたリージョナルフォーミュラだが、まずはどんな初年度を迎えるのか、非常に注目が集まるところだろう。
