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国内レース他 ニュース [PR]

投稿日: 2020.07.21 18:00
更新日: 2020.07.21 18:57

スーパーGT初優勝を果たしたGreen BraveがS耐用ニューマシン、クラウンRSをシェイクダウン

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国内レース他 | スーパーGT初優勝を果たしたGreen BraveがS耐用ニューマシン、クラウンRSをシェイクダウン

 スーパーGT第1戦富士にニューマシン、GRスープラGTを投入し、初優勝を飾った埼玉トヨペットGreen Brave。優勝の余韻に浸る間もなく、翌7月20日(月)にはスーパー耐久(以下S耐)に参戦するクラウンのシェイクダウンを行った。現地からシェイクダウンの模様をレポートしよう。

 ベースグレードは直列4気筒の2リッター直噴ターボエンジンを搭載するRS(ARS220型)。参戦クラスは2001cc~3500ccまでのFRで争われるST-3クラスだ(ターボ車には係数がかけられるためこのクラスとなる)。主なライバルはレクサスRC350やフェアレディZなどの2ドア車だが、トヨタディーラーを母体に持つチームとして、マーケティングの観点からマークX(昨年の参戦車両)やクラウンでの参戦を続けている。

スーパーGT初優勝を果たしたGreen Brave。S耐用ニューマシン、クラウンRSをシェイクダウン
クラウンRS(フロント外観)
 
 間近で見たクラウンの第一印象はマークXよりもさらに大きいということ。実際、ホイールベースは長いと言われたマークXと比べて、70mmも伸びている。とはいえ、間延びしているということはなく、もともとのスタイリッシュなデザインがローダウン化によってさらに強調され、凄みのあるエクステリアに仕上がっている。

スーパーGT初優勝を果たしたGreen Brave。S耐用ニューマシン、クラウンRSをシェイクダウン
クラウンRS(リヤ外観)
 
 シェイクダウンに立ち会ったドライバーはS耐レギュラーのプロドライバー3人(服部尚貴、吉田広樹、川合孝汰)とジェントルマンドライバーの平沼貴之(埼玉トヨペット代表取締役社長)。3つの走行枠を4人でシェアし、服部のみ2回、他のドライバーは1回ずつ走行。途中、雨が強く降る時間帯もあったが、クルマの感触を確かめつつ、マイナートラブルの洗い出しと開発の方向性を確認した。

スーパーGT初優勝を果たしたGreen Brave。S耐用ニューマシン、クラウンRSをシェイクダウン
コックピット
 
 走り出しを担当した服部は「ウエットしか乗れなかったのは残念だけど、今日はトラブルをあぶりだす時間だから。全部走り切りことができ、いいシェイクダウンになったと思うよ。伸びしろはたっぷりある」とコメント。

 トピックはエンジン。低音がよく効いた8AR-FTSの排気音は4気筒ターボ車ならではのもの。音量はターボでよく消音されているのか、ライバルのV6自然吸気エンジンと比べて明らかに静か。服部によると運転したフィーリングはいかにもターボらしい盛り上がりがあり、今までのマークXとの大きな違いという。

 昨年の富士24時間以来のレーシングカードライブとなった平沼も初めて乗るターボエンジンのフィーリングには驚いたようで、「ターボが効いた時のクルマの挙動がコーナリング中の操作と合わない時があって、挙動を乱すことが結構ありました。もうちょっとパワーバンドがもっとマイルドになってくれると運転しやすというぐらい、アクセル操作に気をつかう。ターボは大変」とコメント。スーパーGTで衝撃のデビューウィンを飾ったGRスープラGTを引き合いに出し「クラウンは手のかかる子なのかなと思います」と付け加えた。

 服部はエンジニアとディスカッションを重ね、「どこを改善していけばよいかはわかった」とコメントしているので、走行を重ねるにつれ、エンジンのフィーリングも徐々に改善されていくだろう。

スーパーGT初優勝を果たしたGreen Brave。S耐用ニューマシン、クラウンRSをシェイクダウン
近藤チーフエンジニア(右)と佐藤メカニック(左)
 
 こうしてシェイクダウンは大きなトラブルもなく、無事に終了したが、Green Braveにとって長い戦いのスタートとなる。2015年のS耐最終戦にマークXを持ち込んだ時は、トップから2~3秒落ちが当たり前だったが、チーム力でその差を毎年削っていき、昨年は3回の予選トップと全戦表彰台を獲得するマシンに仕上げた。クラウンも同じ歩みを続ける決意であり、そのゴールはマークX以上の成績、そしてGreen Braveのさらなるファンの獲得である。

「難しいことを承知でやっているから」とクラウン導入を決めた張本人の平沼。86、マークXと続いてきた“GB劇場S耐編”の第3幕は意欲的な取り組みがいっぱいだ。それに関連するトピックとして、推しておきたいのがクラウンに装着されているエアロパーツ(リアウイングとリアスポイラーをのぞく)。これらのパーツは市販車を販売するために開発したものらしく、なんと1分の1の風洞試験を行い、形状が決められているという。

 このように市販車と表裏一体で行われているのがGreen Braveのレース活動。噂の市販車に関しては、7月25日の午後6時から埼玉トヨペットのYouTubeチャンネル(下記動画参照)で発表されるので、そちらも注目してほしい。


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