FIA-F4選手権の第2大会(第4戦~第6戦)が鈴鹿サーキットで開催され、平良響(TGR-DC RSトムススピリットF4)が鈴鹿大会3戦を3連勝で制した。鈴鹿大会終了時点で2位に41ポイント差の127.5ポイントを獲得し、ランキングトップをより不動のものとした。
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10月22日(木)と23日(金)に行われた練習走行は、4セッションのうち3セッションが雨に見舞われ、24日(土)からは好天との予報により、最初の1セッションしか走らなかったドライバーも見受けられた。
そんなドライの貴重な1セッションでトップタイムを記録したのは小出峻(VEGAPLUS DOME F110)、3番手に続いたのは太田格之進(VEGAPLUS DOME F110)だった。
本来ならば、HFDP(Hondaフォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)のスカラシップを受けて今季フル参戦を予定されていた2人だが、コロナ禍でチームが活動を自粛したため、鈴鹿大会より新チームVEGAPLUSから参戦することになった。
24日(土)は好天に恵まれ、早朝の予選はドライコンディションでの走行となった。ここでベストタイム、セカンドベストタイムともトップを記録し、第4戦と第5戦のポールポジションを決めたのが平良だった。
ただひとり2分7秒台を記録し、鈴鹿大会でも好調ぶりをみせる平良は「この予選に向けてシミレーションして、セットや自分の走りをたくさんイメージして。それで完璧な状態で予選を走れましたが、こんなにぶっちぎれるとは想像していませんでした」と語った。
第4戦で2番グリッドを獲得したのは荒川麟(ZAP SPEED スカラシップ)、3番手に太田、4番手に平木玲次(HELM MOTOR SPORTS F110)、5番手に小出が続いた。第5戦は2番グリッドに太田、3番手に平木、4番手に荒川、5番手に小出の順で続く形となった。
■第4戦:得意のスタートを決めた平良が逃げきる
24日(土)12時50分から行われた第4戦決勝では、平良が得意のスタートを決め、それに負けず劣らず絶妙のダッシュで太田が続く。対する、小出は痛恨のエンジンストールで大きく順位を落としてしまう。
そんななか、オープニングラップの日立オートモティブシステムズシケインで、インディペンデントカップの上位陣にアクシデントが発生し、セーフティカーが2周に渡って導入された。
このセーフティカー導入で、平良はオープニングラップで築いた0.7秒のリードを奪われてしまい、リスタート後も太田と荒川を引き離すことができずにいた。
しかし、「ストレートのスピードが厳しい」という2番手太田は6周目の1コーナーで荒川にかわされ、ポジションダウンしてしまう。2番手争いが過熱する間にリードを築いた平良は首位を守り抜くべくハイペースで周回を重ねる。
後半、2番手荒川が平良のペースを上回る場面もあったが、「ミラーを見ないようにして、自分の走りに集中していました」と話す平良がトップチェッカーを受けた。2位は荒川、3位は7番手スタートだった平良のチームメイト、野中誠太(TGR-DC RSトムススピリットF4)が獲得した。