2020 フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ第13戦／第14戦は大分県日田市のオートポリスで12月12日、予選と決勝レースが行われ、ひさびさのフォーミュラ参戦で注目を浴びた本山哲（TEAM GOH）は、第13戦は4位、第14戦は表彰台圏内に浮上しながらも、第2ヘアピンでコースアウト。5位でチェッカーを受け“復帰戦”を終えることになった。
1990年代から2010年代まで日本を代表するトップドライバーとして君臨した本山の、ひさびさのフォーミュラドライブということもあり大きな注目を集めたフォーミュラ・リージョナル第13戦／第14戦。3日間の走行を経て、迎えた12月12日（土）は午前8時55分から公式予選が行われた。
「気温が低いなかで、何周目にタイムが出るか分からない部分もあった」という本山は、コースオープンからニュータイヤを2セット投入し、積極的にラップを重ねたが、「まだ予選の段階ではいまひとつ攻めきれなかった」と第13戦／第14戦とも、5台中4台という結果に終わる。とはいえ、ポールポジションからはいずれも0.6〜0.7秒差と、今季フル参戦してきた古谷悠河（TOM’S YOUTH）、阪口晴南（Sutekina #3）との差を前日までよりも確実に詰めてきていた。
迎えた12時15分からの第13戦。4番グリッドにつけた本山のもとには、これまで長年ともにレースを戦ってきた仲間たち、先輩、そして本山を慕う後輩たちが続々と集まり、本山を激励した。「思ったよりたくさん先輩方や後輩たちもたくさん来て、異様に盛り上がりましたね（笑）」と本山も思わずコクピットの中で笑顔をみせた。
「その盛り上がりを繋げたかったけど」という第13戦では、スタートで古谷が順位を落としたこともあり3番手につけるも、序盤にかわされ4位でフィニッシュする。しかしこのレースで、「ブレーキで前が沈み、リヤがリフトしてロックする症状があって、ヘアピンや1コーナーでタイムロスがかなりあった」というバランスの悪さに気づく。
この症状をエンジニアに伝え、「ブレーキをもっとしっかり踏みたい」とアジャスト。さらにスタートのフィーリングも第13戦で得たこともあり、15時20分からの第14戦ではスタートを決めると、「この週末、いちばんスピードの面で縮められた」とレースペースも向上。3番手を走る金丸ユウ（Sutekina #5）とのバトルに持ち込んでいった。
「おそらくマシンにトラブルがあって、第13戦からずっと苦しかった」という金丸は、本山の追撃を防ぎきれず、10周目の1コーナーで本山がクロスラインをとり、ついに3番手に。5台の参戦とはいえ、いよいよ表彰台圏内に浮上してみせた。
しかし12周目、第2ヘアピンで本山がストップしているまさかのシーンがモニターに映し出される。グラベルから引き出されると、その後ふたたびコースへ戻り、2周遅れという結果での5位でフィニッシュすることになった。
「3番手に上がれてからは、トップの2台（阪口と古谷）のラップタイムを無線で聞いていました」と本山はコースアウト前の状況を語った。
「2台の速さにチャレンジしようと思い、かなりプッシュしていったんです。その途中で、ブレーキでいきすぎてロックしてしまった。ただ完走してもつまらないし、現状のなかでクルマも自分もベストのなかで走りたかったので」
49歳ながら、いまだ速さを追求する姿勢はさすがのひと言。「第13戦を終えて、グリッドに来てくれたみんなのためにももう少し盛り上がってもらいたくて、頑張りたいと思っていたので、セットアップを変えたり、データを見たりスタートを研究したり、今日できる限りのことはチャレンジできたと思います。非常に楽しめました」と本山は週末を振り返った。
翌週、今度は強大なダウンフォースをもつスーパーフォーミュラ・ライツに挑むことになる本山は「来週に向けて良いリハビリとトレーニングができたと思いますし、今週走らせてくれたTEAM GOH、セルブスジャパン、関係者の皆さんに感謝しています」と語った。
ふたたびサーキットを駆けはじめた“帝王”。来週は富士スピードウェイで、どんな戦いをみせてくれるだろうか……？
