レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

国内レース他 ニュース [PR]

投稿日: 2021.05.13 14:20
更新日: 2021.05.13 19:35

富士SUPER TEC 24時間レースはキャンプで! 海外24時間レースでは定番観戦スタイル

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


国内レース他 | 富士SUPER TEC 24時間レースはキャンプで! 海外24時間レースでは定番観戦スタイル

 2021年もファンにとって楽しみな一戦となりそうなスーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankookの第3戦『NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース』。2018年にスーパー耐久の一戦として復活してからは、日本で現在唯一開催されている24時間レースとして定着しつつある。筆者は過去に開催された十勝24時間、また海外ではル・マン24時間、スパ24時間、ニュルブルクリンク24時間、ドバイ24時間といった24時間レースを取材した経験があるが、海外の24時間レースと富士SUPER TEC 24時間レースはどんな違いがあるだろうか。

 NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レースは、1967~68年に開催されて以来となる富士スピードウェイでの24時間レース。やはり日本ではどうしても騒音等の問題があり24時間レースは難しい部分が多かったが、さまざまな障害を乗り越えたのが十勝24時間であり、NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レースだ。

 一方、海外では多くの24時間レースが開催されている。現地に行って分かることは、もちろんコース内は参戦するドライバーやチームによって真剣勝負が展開されているが、それを包む雰囲気はその街の“お祭り”であるということだ。特にル・マンはヨーロッパのみならず世界中から人々が訪れ、近隣のホテルは満杯。民泊も盛んだ。自治体が積極的に関わり、街中がレース一色となる。その週末20万人以上が訪れるので、経済効果は推して知るべしだ。

20万人以上が訪れるフランスのル・マン24時間レース
20万人以上が訪れるフランスのル・マン24時間レース

 もちろん、宿がとれない人もいるが、そういった人々はコースサイドでキャンプをすることになる。専用のキャンプエリアが設けられているが、多くのヨーロッパの人々が使うのがキャンピングカー(一般車で牽引するスタイルが一般的)。これにプラスしてテントを貼る。

 こういったスタイルのキャンプはスパ24時間、ニュルブルクリンク24時間でも観ることができるが、より過激なのはニュル。ここは中心となるのはドイツ人のファンだが、キャンピングカーに加え、プールやジャグジー(どこからお湯をもってくるのかはちょっと不思議)、木材を組み上げてのDJブースが登場したりと凄まじい。コースサイドが近いことから、ニュルを走るドライバーたちは走りながら「バーベキューの美味しそうな匂いがする」というが、それも頷ける。

ドライバーも「バーベキューの美味しそうな匂いがする」というニュルブルクリンク24時間レース
ドライバーも「バーベキューの美味しそうな匂いがする」というニュルブルクリンク24時間レース

 ちなみにドバイ24時間は、中東のドバイ・オートドロームで開催されており、富士SUPER TEC 24時間レースよりも長い歴史をもっているが、これが不思議なほど観客がいない。もともとヨーロッパのチームやメーカー、ジェントルマンドライバーが走ることをターゲットにしているレースだが、テントなどひと貼りもない(少なくとも筆者が行ったときは)。

 これはそのお国柄、レース文化にもよるのだろう。ヨーロッパではやはりモータースポーツの浸透度が深く、多くのファンが現地で楽しむことを重視していることの現れと感じさせる。ル・マンやニュルなどは、そのキャンプエリアでの盛り上がり、地域全体の盛り上がりを含めての大きなお祭りとして成立しているのだ。残念ながら筆者はまだ未取材だが、デイトナやセブリング等でもキャンプはよく行われていると聞く。

 そして、そうした文化をよく理解し、少しずつ浸透させてきているのが富士SUPER TEC 24時間レースだ。24時間レースを復活させるときから、地元の小山町や御殿場市、裾野市と富士スピードウェイが連携をとり、レース開催への理解を求めるだけでなく、地元の皆さんが積極的に関われるような方策がとられている。レース中に一度サーキットを出て、地元の浅間神社などの名所を廻るなどといった富士SUPER TEC 24時間レースならではの楽しみ方が考えられている。

 そうした甲斐あり、初年度から富士SUPER TEC 24時間レースでは、欧米を思わせるようなキャンプを楽しむシーンが数多くみられた。さらに年々その数は増え始めており、日本ならではの制約はありながらも、日本のモータースポーツ文化の発展を感じさせている。

 2020年は天候もいまひとつで、さらにコロナ禍もあり思うほどの盛り上がりはなかったが、聞けばコロナ禍もあり、最近はキャンプの人気がさらに高まっているというではないか。周囲に十分配慮しつつ、テントでレース観戦というのも、2021年の観戦スタイルとしてはオススメかもしれない。もちろん、24時間のお祭りをチームやドライバーとともに盛り上げる重要な存在となるのは間違いないだろう。

キャンプ人気がさらに高まっているなか、テントでのレース観戦もオススメだ
キャンプ人気がさらに高まっているなか、テントでのレース観戦もオススメだ

●富士スピードウェイ オフィシャルサイト


関連のニュース