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国内レース他 ニュース

投稿日: 2022.03.18 09:45
更新日: 2022.03.20 19:53

【2022年スーパー耐久見どころ紹介】S耐新時代到来。第1戦鈴鹿からトピックス満載

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国内レース他 | 【2022年スーパー耐久見どころ紹介】S耐新時代到来。第1戦鈴鹿からトピックス満載

 いよいよ3月19〜20日、三重県の鈴鹿サーキットを舞台に、ENEOS スーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankookが開幕する。プライベーターたちが争ってきたシリーズは、2021年から新設されたST-Qクラスを中心に、新たな時代に突入することになりそうだ。

■ST-Qでカーボンニュートラルへの挑戦が本格化

 1990年に、市販車小改造の『N1耐久シリーズ』として始まったこのシリーズは、その後レギュレーションの変化とともにその姿を変えてきたが、プライベーターが参加し、さまざまなレーシングカーを受け容れるスタイルを続けてきた。GT3やGT4、TCRといったカスタマーレーシングカーが世界的に流行してからも、Aドライバーにジェントルマンドライバーを据えることで、エントラントが楽しめるスタイルを守っている。

 そんなシリーズに2021年に新設されたのがST-Qクラス。あくまでスーパー耐久らしさを保ちながら、自動車業界が直面するカーボンニュートラルに向けた取り組みとして、2021年富士から水素エンジンを積んだORC ROOKIE Corolla H2 Conceptが登場。最終戦にはバイオディーゼル燃料のデミオも登場した。

 さらに今季からは、新たな燃料を使用するORC ROOKIE GR86 CNF Concept、Team SDA Engineering BRZ CNF Conceptが参戦。まだ詳細は明らかにされていないが、いわゆるカーボンニュートラルフューエルを使用しているよう。詳細はレースウイーク中に明らかにされそうだ。また、MAZDA SPIRIT RACING MAZDA2 Bio conceptは名前どおりデミオからマツダ2に変更。今季はMAZDA SPIRIT RACINGとしてフル参戦する。

 自らドライバー“モリゾウ”としてステアリングを握るトヨタの豊田章男社長は、「各社とも、未完成の技術を今後モータースポーツ、スーパー耐久の現場で実証するようになってまいりました。こうした『意思ある情熱と行動』により、10年後、20年後の未来の姿が変わってくると思います」とスーパー耐久という舞台を捉えている。いずれも、メーカーが積極的に関わる取り組みで、今までスーパー耐久のパドックでは見かけなかったメーカー関係者が大いに増えた。

 その取り組みとメーカーの積極的な関与は、ひとつのクラスだけの話とは言え、これまでのスーパー耐久の牧歌的な雰囲気からの変革を感じさせつつある。

モリゾウがドライブするORC ROOKIE Corolla H2 Concept
モリゾウがドライブするORC ROOKIE Corolla H2 Concept
Team SDA Engineering BRZ CNF ConceptとORC ROOKIE Corolla H2 Concept
Team SDA Engineering BRZ CNF ConceptとORC ROOKIE Corolla H2 Concept
ピットレーンに並ぶORC ROOKIE GR86 CNF Concept、ORC ROOKIE Corolla H2 Concept、Team SDA Engineering BRZ CNF Concept
ピットレーンに並ぶORC ROOKIE GR86 CNF Concept、ORC ROOKIE Corolla H2 Concept、Team SDA Engineering BRZ CNF Concept

■カスタマーレーシングカーの各クラスとも激戦必至

 一方で、他のクラスでは今季もプライベーターたちによる魅力的な攻防が展開されそうだ。まずGT3カーを使うST-Xクラスは、2021年はD’station Racingのアストンマーティン・バンテージAMR GT3がチャンピオンを獲得したが、今季は並行して参戦するWEC世界耐久選手権との重複から、第1戦は欠場する。

 また今季、ST-Zから移行したTKRI、そしてGrid Motorsportと2台のメルセデスAMG GT3が参戦する。aprのレクサスRC F GT3、ポルシェセンター岡崎のポルシェ911 GT3 R、さらに今季HELM MOTORSPORTSの1台を加え、強豪DAISHIN、第2戦から参戦するMP Racingと3台がそろうニッサンGT-RニスモGT3勢と、強豪ぞろいだ。誰が勝ってもおかしくない陣容が争う。

 GT4を使用するST-Zは、前年チャンピオンのENDLESS SPORTSがST-Qへ、ランキング2位のD’stationがST-1へ、先述どおり昨年1勝のTKRIがST-Xへと移行。悲願の王座を目指すTEAM 5ZIGENか、新型のポルシェ718ケイマン・クラブスポーツRSを投入したPorsche Team EBI WAIMARAMAか、はたまた成熟が進むGRスープラGT4勢か……。こちらも誰が優位に立つかは分からない。

 ST-TCRは今季も2台のホンダ・シビック・タイプR TCR同士の争いだが、毎戦激しいレースが展開されてきた。今季も接戦になるだろう。

ピットレーンに並ぶST-X車両たち
ピットレーンに並ぶST-X車両たち

【スーパー耐久シリーズ クラス一覧(ST-X/Z/TCR/Q)】

ST-X:本年度、FIAよりホモロゲーションが発行されているFIA-GT3公認車両、およびGT3規格に準ずる車両
2022年主要参戦車種:アストンマーティン・バンテージAMR GT3/ニッサンGT-RニスモGT3/ポルシェ911 GT3 R/レクサスRC F GT3/メルセデスAMG GT3

ST-Z:本年度、SROよりBOPが発行されているGT4規格車両、およびGT4規格に準ずる車両
2022年主要参戦車種:ポルシェ718ケイマンGT4・クラブスポーツMR/ポルシェ718ケイマンGT4 RS・クラブスポーツ/ジネッタG55 GT4/トヨタGRスープラGT4/メルセデスAMG GT4

ST-TCR:本年度、FIA、またはWSCよりBOPが発行されているTCR規格車両、およびTCR規格に準ずる車両
2022年主要参戦車種:ホンダ・シビック・タイプR TCR

ST-Q:他のクラスに該当しない、STOが認めた開発車両
2022年主要参戦車種:トヨタ・カローラスポーツH2コンセプト/トヨタGR86 CNFコンセプト/スバルBRZ CNFコンセプト/マツダ2・バイオディーゼルコンセプト

■ST-1〜5も話題多数。車両の見た目も変わる

 ST-1は、ニュルブルクリンク向けに開発されたバンテージGT8Rを投入するD’station Racing、前年王者のKTM、TRACY SPORTSのGRスープラの争い。KTMが優勢にも感じられるが果たして。そしてST-2はGRヤリスの台数も増え、前年王者で歴戦の雄であるシンリョウレーシングチームのランサー勢との争いにも注目が集まる。

 またST-3は、今季強力な体制を敷く2台のフェアレディZが登場することになり、混戦が加速しそう。ST-5は最多の台数が集まり、トヨタ・ヤリスの登場で車種バラエティも増えた。今回はST-4の参加はないレースだが、第2戦からはGR86のデビューも予定されており、こちらも見どころが多そうだ。

 ちなみに、今季は車両の見た目も少し変わっている。既報のとおり、シリーズ冠スポンサーにENEOSが決まり、フロントウインドウには全車オレンジの帯が入る。また、サイドのカーナンバーの上には、シリーズの『フューチャーソリューションパートナー』を務めるTOYOTA GAZOO Racing、マツダ、東京海上日動、三井住友海上のロゴが入った。ぜひサーキットでチェックしてみよう。

2022年からENEOSがシリーズ冠スポンサーとなり、フロントウインドウはオレンジの帯となった。
2022年からENEOSがシリーズ冠スポンサーとなり、フロントウインドウはオレンジの帯となった。
2022年からシリーズの『フューチャーソリューションパートナー』のロゴがカーナンバー上部に入る。
2022年からシリーズの『フューチャーソリューションパートナー』のロゴがカーナンバー上部に入る。
2022年からシリーズの『フューチャーソリューションパートナー』のロゴがカーナンバー上部に入る。
2022年からシリーズの『フューチャーソリューションパートナー』のロゴがカーナンバー上部に入る。

【スーパー耐久シリーズ クラス一覧(ST-1/2/3/4/5)】

ST-2:2401cc〜3500ccまでの四輪駆動車両、および前輪駆動車両
2022年主要参戦車種:トヨタGRヤリス/ミツビシ・ランサー・エボリューションX/スバルWRX STI/ホンダ・シビック・タイプR

ST-3:2401cc〜3500ccまでの後輪駆動車両
2022年主要参戦車種:ニッサン・フェアレディZ(Z34)/レクサスRC350/トヨタ・クラウンRS

ST-4:1501cc〜2400ccまでの二輪駆動車両
2022年主要参戦車種:トヨタ86/トヨタGR86

ST-5:1500cc以下の車両
2022年主要参戦車種:マツダ・ロードスター/マツダ・デミオ/マツダ2/ホンダ・フィット/トヨタ・ヤリス/トヨタ・ヴィッツ

ST-1:ST-2〜ST-5以外の車両
2022年主要参戦車種:KTMクロスボウGT-X/トヨタGRスープラ/アストンマーティン・バンテージAMR GT8R

※STOの判断により、参加クラスが変更される場合がある。

2022年スーパー耐久シリーズ スケジュール

Round Circuit Date Distance
TEST 富士スピードウェイ 2月23日 ※夜間走行あり
1 鈴鹿サーキット 3月19〜20日 5時間
TEST 富士スピードウェイ 5月平日にて調整中 ※夜間走行あり
2 富士スピードウェイ 6月3〜5日 24時間
3 スポーツランドSUGO 7月9〜10日 3時間×2レース
4 オートポリス 7月30〜31日 5時間
5 モビリティリゾートもてぎ 9月3〜4日 5時間
6 岡山国際サーキット 10月15〜16日 3時間×2レース
7 鈴鹿サーキット 11月26〜27日 5時間

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