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国内レース他 ニュース

投稿日: 2022.03.22 05:55
更新日: 2022.03.22 05:56

スーパー耐久登場予告のマツダの2.2リッターエンジンの正体は。搭載車種はあのクルマ……?

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国内レース他 | スーパー耐久登場予告のマツダの2.2リッターエンジンの正体は。搭載車種はあのクルマ……?

 3月19日、トヨタとスバル、マツダは共同でENEOS スーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook第1戦『SUZUKA 5時間耐久レース』の会場内で記者会見を開いたが、この席上でST-QクラスにMAZDA SPIRIT RACING MAZDA2 Bio conceptを投入しているマツダの丸本明社長兼CEOが、「後半戦に向けて2.2リッターの300馬力のエンジンを開発したいという強い要望を受けました」と明かし、これを認めたと語った。ある意味サプライズな発言だったが、この300馬力のエンジンの正体はなんなのか、自らMAZDA SPIRIT RACING MAZDA2 Bio conceptをドライブする前田育男常務執行役員を直撃した。

 マツダは2021年第6戦岡山から、100%バイオマス由来の次世代バイオディーゼル燃料『サステオ』を使用した『MAZDA SPIRIT RACING Bio concept DEMIO』をスーパー耐久に投入。2022年は『MAZDA SPIRIT RACING MAZDA2 Bio concept』としてマツダ2に車種を変更し、ST-Qクラスにフル参戦している。

 ST-Qクラスは参戦趣旨は異なるENDLESS AMG GT4、そしてカーボンニュートラル燃料を使用するORC ROOKIE GR86 CNF Concept、Team SDA Engineering BRZ CNF Conceptという2台に加え、水素エンジンを使用するORC ROOKIE Corolla H2 Conceptが参戦。MAZDA SPIRIT RACING MAZDA2 Bio conceptはバイオディーゼルとすべて燃料が異なるが、3月20日に開催されたスーパー耐久第1戦の決勝では、GR86、BRZ、カローラの3台がST-3車両のうしろからスタートしていたのに対し、MAZDA SPIRIT RACING MAZDA2 Bio conceptはST-5車両に混じってのレースとなっていた。当然、ベースはマツダ2であり、車格から言っても当然の位置だ。

 そんなスーパー耐久第1戦で、丸本明社長兼CEOから「弊社のエンジニアが今季参戦されるスバルさんのBRZ、トヨタさんのGR86の手強さを目の当たりにし、後半戦に向けて2.2リッターの300馬力のエンジンを開発したいという強い要望を受けました。さらなる挑戦のために、その要望に同意しました。ぜひ後半戦ではガチンコで戦わせていただければと思います」という発言が飛び出した。

スーパー耐久第1戦鈴鹿で記者会見に出席したマツダの丸本明社長兼CEO
スーパー耐久第1戦鈴鹿で記者会見に出席したマツダの丸本明社長兼CEO

 この発言は現場サイドとしてもサプライズだったようで、自らドライバーとして参戦する前田常務執行役員にこの件について聞くと苦笑いの様子だったが、このエンジンについて聞くと、CX-5やマツダ6に積まれるSKYACTIV-D 2.2リッタークリーンディーゼルをベースとして、バイオディーゼル燃料を使用するエンジンを開発していると認めた。

 ただ気になるのは、そのエンジンがどの車両に積まれるかだ。当然、300馬力ともなればマツダ2ではキャパシティオーバー。じゃじゃ馬になってしまう。これを聞くと、当然まだ公にはできないとしながらも、「乗せられるクルマは限られていますからね」と前田常務執行役員は語った。

 現行のマツダのラインアップのなかで、300馬力を受け止めモータースポーツへの転用が理想的な車種としては、やはりマツダ3ファストバック、もしくはマツダ3セダンだろう。マツダ6ではやや大柄すぎる。この予想を伝えると、「そんなご想像で良いのではないでしょうか」と前田常務執行役員。

 ちなみに、アメリカでは2020年のデビューに向けマツダ3 TCRというカスタマーレーシングカーが企画されたが、この車両のレーシングカーとしてのデザインも前田常務執行役員のデザインチームが手がけたのだという。残念ながらコロナ禍の影響もありTCR車両は実現しなかったが、もし今回の検討車種がマツダ3ならば、TCRで検討されたデザインのエッセンスが入る可能性もあるだろう。

「今回のレースでもトヨタさんのGR86とスバルさんのBRZのバトルは、端から見ていてもいいな、と感じました。我々もそのバトルに加わりたいという希望があります。今日も私がドライブしている際にコース上で2台に遭いましたが、『速いな』と思って見ていました」と前田常務執行役員は言う。丸本社長兼CEOの先述の発言をみても、SKYACTIV-D 2.2リッタークリーンディーゼルエンジンを積んだ車両が、カーボンニュートラル燃料で走るGR86、BRZとST-Qクラスで争うシーンがMAZDA SPIRIT RACINGの理想と見て間違いないだろう。

 丸本明社長兼CEOもこのMAZDA SPIRIT RACINGの活動を応援し、第1戦鈴鹿の前には決起集会も開いてくれたのだという。いわば“ワークス”としてステップアップを続けるMAZDA SPIRIT RACINGだが、計画される2.2リッターバイオディーゼルエンジン搭載車には、大きな期待をもって良さそうだ。

流麗なフォルムとワンランク上の高級感をもつマツダ3
流麗なフォルムとワンランク上の高級感をもつマツダ3
2020年の登場へ向け開発が進められていたマツダ3 TCR
2020年の登場へ向け開発が進められていたマツダ3 TCR
ORC ROOKIE GR86 CNF ConceptとTeam SDA Engineering BRZ CNF Conceptの戦い
ORC ROOKIE GR86 CNF ConceptとTeam SDA Engineering BRZ CNF Conceptの戦い
MAZDA SPIRIT RACING MAZDA2 Bio concept
MAZDA SPIRIT RACING MAZDA2 Bio concept
スーパー耐久富士公式テストにて、MAZDA2 Bio conceptと、ドライバーとしても参戦する前田育男マツダ常務執行役員
スーパー耐久富士公式テストにて、MAZDA2 Bio conceptと、ドライバーとしても参戦する前田育男マツダ常務執行役員


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