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国内レース他 ニュース

投稿日: 2022.07.10 19:50
更新日: 2022.07.10 19:56

ベテラン高木真一が力走。スーパー耐久第3戦SUGOのGr-1決勝はGrid Motorsport AMGが制す

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国内レース他 | ベテラン高木真一が力走。スーパー耐久第3戦SUGOのGr-1決勝はGrid Motorsport AMGが制す

 宮城県のスポーツランドSUGOで開催されているENEOSスーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook第3戦『SUGOスーパー耐久3時間レース』は7月10日、14時から3時間のGr-1決勝レースが行われ、ST-XクラスはGrid Motorsport AMG GT3(マーティン・ベリー/高木真一/黒澤治樹/山脇大輔)が優勝。ST-ZはGRGarage水戸インター GR SUPRA GT4(山崎学/坪井翔/野中誠太/細川慎弥)が制し、ST-1はmuta Racing GR SUPRA(堤優威/中山雄一/松井宏太)がトップチェッカー、ST-Qの2台も完走を果たしている。

 雨が降ったり止んだりという変わりやすい天候のなか行われた前日の予選とは打って変わり、朝から快晴に恵まれたスポーツランドSUGO。午前のGr-2決勝の後に行われたGr-1決勝は、手元の計測で気温29度、湿度62%という蒸し暑さのなか、ST-X/ST-Z/ST-1、ST-Qの2台、計20台が参加するレースは13時55分にフォーメーションラップがスタートした。

 雨の影響でFIA-GT3マシンを使用するST-XクラスがST-Zクラスの後方からスタートするというめずらしいスターティンググリッドとなったGr-1決勝。レースのスタートではグリッド降格ペナルティにより3番手からスタートを切ったST-Qクラスの3号車ENDLESS AMG GT4の小河諒が500号車5ZIGEN AMG GT4の金石年弘をかわしてトップに躍り出る。

 その後方では2番グリッドの885号車シェイドレーシング GR SUPRA GT4を駆る清水英志郎も3号車をオーバーテイクして2番手にポジションを上げるが、ドライコンディションになるとGT3とGT4マシンのラップタイム差は明らかとなり、2周目の1コーナーで9番グリッドからスタートした16号車ポルシェセンター岡崎 911 GT3Rの永井宏明が総合トップに浮上する。

レーススタート直後の1コーナーで5ZIGEN AMG GT4をかわすENDLESS AMG GT4とシェイドレーシング GR SUPRA GT4
レーススタート直後の1コーナーで5ZIGEN AMG GT4をかわすENDLESS AMG GT4とシェイドレーシング GR SUPRA GT4
ST-Xが後方からのスタートとなったため、レース開始直後には混み合うシーンも
ST-Xが後方からのスタートとなったため、レース開始直後には混み合うシーンも

 ST-Xは続く3周目に23号車TKRI松永建設AMG GT3のスタートを担当する元嶋佑弥が16号車をかわして首位に立つ。16号車はその後のペースも上がらず、9号車MP Racing GT-Rの影山正美にもかわされてしまう。その後方から追い上げをみせたのは31号車DENSO LEXUS RC F GT3を駆る小高一斗だ。

 小高はまず前を走る888号車Grid Motorsport AMG GT3の黒澤治樹をオーバーテイクすると、その勢いのまま16号車永井にも迫り、13周目の1コーナー飛び込みでアウトからブレーキングでパス、3番手にポジションを上げる。

 19周目には31号車小高が9号車影山に追い付くも、歴戦ドライバー影山の走りに小高はなかなかオーバーテイクすることができず、10周以上に渡りテール・トゥ・ノーズでの争いが続く。しかし、29周目の最終コーナー進入でバックマーカーに引っかかってしまった影山の隙をついた小高が前に出て2番手となる。

 レース40周目、太田格之進がステアリングを握る5ZIGEN AMG GT4が4コーナー先でストップしてしまいフルコースイエロー(FCY)が導入される。ST-XではこのFCYタイミングで888号車、62号車HELM MOTORSPORTS GTR GT3がピットインを行い、それぞれ黒澤からマーティン・ベリー、平木玲次から鳥羽豊にドライバーを交代する。

コース上にストップしてしまった5ZIGEN AMG GT4
コース上にストップしてしまった5ZIGEN AMG GT4

 ST-X各マシンがピットストップを終えた後も引き続き23号車がトップをキープ。2番手には31号車が続くも、3番手の9号車柴田優作が猛烈な勢いで31号車に迫ってくる。そんななか64周目には62号車鳥羽が2コーナー立ち上がりでスピンを喫しイン側ガードレールにマシンをぶつけてしまい左フロントを破損、ピットガレージに戻り修復が必要な事態に。

 上位3台のなかで先に2度目のピットを終えたのは31号車となり、81周目に中山から永井秀貴に最終スティントを託す。その翌周には9号車もピットへ向かい、柴田からJOE SHINDOにドライバーを交代するも31号車の先行を許してしまう。

 そしてトップ走行の23号車も84周目にルーティンピットを行い、中山からステアリングを引き継いだDAISUKEがトップのままレースに復帰する。そんな上位3台の後方に迫ってきたのが888号車を駆るベテラン高木真一だ。高木は85周目のハイポイントコーナーでペースの上がらない9号車をあっさりと抜き去り3番手に浮上する。

 勢いに乗る高木は1周2秒ほど速いペースを刻み、96周目の最終コーナー進入で31号車もかわして2番手にポジションを上げる。その後方には上村優太がステアリングを握る16号車も追い上げをみせてくると、103周目のS字コーナーで上村が永井を一瞬でかわし3番手に浮上、そのまま前の2台を追う。

 トップ争いは105周目に入ったところで888号車高木が首位の23号車DAISUKEに迫り、再び106周目のS字コーナーでインに入ってオーバーテイクを決め総合トップの座を奪い取る。しかし、追い抜いた23号車の背後にはこちらも猛烈なペースで追い上げてきた16号車上村も迫ってきており、108周目の1コーナーで23号車をかわした16号車が2番手に上がってくる。

 レースは残り10分を切ってもポルシェを駆る上村の追い上げは緩むことなく、首位高木との差は4.3秒にまで縮まる。しかし、上村が4~5台ほどのバックマーカーに詰まってしまった瞬間に両車の差は8.4秒まで広がってしまい万事休す。フィニッシュまで安定した走りを披露したGrid Motorsport AMG GT3がトップチェッカーをくぐりチーム初の優勝を成し遂げた。2位には最終的に6.619秒差でポルシェセンター岡崎 911 GT3R(永井宏明/上村優太/伊藤大輔)が続き、3位にはレース終盤にTKRI松永建設AMG GT3をオーバーテイクしたDENSO LEXUS RC F GT3(永井秀貴/嵯峨宏紀/小高一斗)が表彰台の一角を手に入れた。

レース終了後にお互いを称える上村優太と高木真一
レース終了後にお互いを称える上村優太と高木真一
第3スティントで快走を見せた高木真一(Grid Motorsport AMG GT3)
第3スティントで快走を見せた高木真一(Grid Motorsport AMG GT3)

 GT4マシン8台が争うST-Zクラスは、レースのスタートでポジションを上げた885号車シェイドレーシング GR SUPRA GT4が序盤のトップを走行。2番手に310号車GRGarage水戸インター GR SUPRA GT4(山崎学/坪井翔/野中誠太/細川慎弥)が続き、15周目からテール・トゥ・ノーズのバトルが繰り広げられる。しかし、ピットタイミングで310号車が逆転を果たすと、そのまま首位の座を譲らずにクラス優勝を達成した。

 ST-Zの2位には885号車が続いたが、レース終了後「裁定義務周回数(時間)違反」により、決勝結果より6周減算のペナルティが課され、クラス3番手でフィニッシュした22号車Porsche Cayman GT4RS(KIZUNA/千代勝正/山野直也/大草りき)が2位、4番手でチェッカーをうけた111号車Access HIROSHIMA+ GR SUPRA GT4(松田利之/古谷悠河/中村賢明/檜井保孝)が3位となっている。

 ST-1クラスはスタートで47号車D’station Vantage GT8R(浜健二/織戸学)がクラストップに浮上し、2番手に38号車muta Racing GR SUPRA(堤優威/中山雄一/松井宏太)がつけ、ST-1で圧倒的な速さを持つ2号車シンティアム アップル KTM(井田太陽/高橋一穂/加藤寛規/吉本大樹)が追い上げる展開に。

 しかし47号車はレース終盤に織戸のドライブ中に足回りのトラブルに見舞われてしまい戦線離脱、修復を余儀なくされクラス3番手に後退。レースは終始安定した走りを披露したmuta Racing GR SUPRAが今季初優勝を飾り、シンティアム アップル KTMがクラス2位となっている。

 ST-Qクラスには3号車ENDLESS AMG GT4(小河諒/川端伸太朗/谷岡力)と244号車ニッサンZ Racing Concept(田中哲也/田中徹/三宅淳詞)が出走し、参戦2戦目となる244号車のニッサンZはスタートからフィニッシュまで順調なレース運びをみせ総合14位で完走を果たした。3号車のエンドレスAMGは、序盤はST-Xに食い込む速さを披露しながらも、98周目にハブボルトが破損してしまいマシンをガレージに一度ガレージに入れるアクシデントに見舞われる。3号車はその後修復が完了しレースに復帰、102周を走り切り総合17位でチェッカーを受けている。

メインストレートで4ワイドを展開するST-XとST-Z
メインストレートで4ワイドを展開するST-XとST-Z
レース序盤をリードしたTKRI松永建設AMG GT3(DAISUKE/元嶋佑弥/中山友貴)
レース序盤をリードしたTKRI松永建設AMG GT3(DAISUKE/元嶋佑弥/中山友貴)
ポルシェセンター岡崎 911 GT3R(永井宏明/上村優太/伊藤大輔)
ポルシェセンター岡崎 911 GT3R(永井宏明/上村優太/伊藤大輔)
チェッカーフラッグを受けるGrid Motorsport AMG GT3(マーティン・ベリー/高木真一/黒澤治樹/山脇大輔)
チェッカーフラッグを受けるGrid Motorsport AMG GT3(マーティン・ベリー/高木真一/黒澤治樹/山脇大輔)
muta Racing GR SUPRA(堤優威/中山雄一/松井宏太)
muta Racing GR SUPRA(堤優威/中山雄一/松井宏太)
ST-1クラスを制した堤優威/松井宏太/中山雄一(muta Racing GR SUPRA)
ST-1クラスを制した堤優威/松井宏太/中山雄一(muta Racing GR SUPRA)
Nissan Z Racing Concept(田中哲也/田中徹/三宅淳詞)
Nissan Z Racing Concept(田中哲也/田中徹/三宅淳詞)
ST-Qクラスの表彰式
ST-Qクラスの表彰式


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