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国内レース他 ニュース

投稿日: 2022.07.10 23:15
更新日: 2022.07.10 23:36

スーパー耐久第3戦SUGOでGrid Motorsport AMGがチーム初優勝「総合力」で勝てたと高木真一

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国内レース他 | スーパー耐久第3戦SUGOでGrid Motorsport AMGがチーム初優勝「総合力」で勝てたと高木真一

 7月10日に宮城県のスポーツランドSUGOで開催されたENEOSスーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook第3戦『SUGOスーパー耐久3時間レース』。午後のGr-1決勝でST-Xクラスは888号車Grid Motorsport AMG GT3(マーティン・ベリー/高木真一/黒澤治樹/山脇大輔)がトップチェッカーを受けチーム初の優勝を飾った。

 鮮やかな蛍光イエローカラーのメルセデスAMG GT3を使用するGrid Motorsportは、Aドライバーでもあるベリーがチームプリンシパルを努め、Dドライバーの山脇がプロジェクトマネージャーを兼務し、そしてスーパー耐久のみならずスーパーGTでも活躍する高木と黒澤を起用して2022年からシリーズに参戦を開始したチームだ。

 3月に鈴鹿サーキットで行われた第1戦ではクラス4位に終わったものの、6月の第2戦『NAPAC 富士 SUPER TEC 24時間レース』では予選でポールポジションを獲得し、決勝でも序盤にトップ争いを展開し2位表彰台に上がる走りを披露して注目を集めた。

 そんな上昇ムードのなかで迎えた第3戦の予選では、FIA-GT3マシンのST-Xが走るグループ1セッション中に雨が降り、GT4マシンを使用するST-Zがグリッド上位を埋めるという波乱が起き、Grid Motorsport AMG GT3はGr-1決勝を12番グリッドからスタートすることになる。

 タイムが速いST-Xが後方からスタートを切るという接触しかねない状況でGrid Motorsport AMG GT3の第1スティントを担当したのは、2018年のスーパーGT GT300クラスでLEON CVSTOS AMGのステアリングを握りシリーズチャンピオンを獲得した黒澤だ。

スーパー耐久シリーズ2022第3戦SUGO3時間レース Gr-1決勝は各クラスのマシンが入り乱れるスタートに
スーパー耐久シリーズ2022第3戦SUGO3時間レース Gr-1決勝は各クラスのマシンが入り乱れるスタートに

 黒澤はライバルであるST-Xの他車のほか、ST-Z、ST-Qのマシンたちが入り乱れるスタートをクリアし、接触などのアクシデントに巻き込まれることなく40周目のフルコースイエロー導入中にピットへ向かいベリーに交代。ステアリングを引き継いだベリーもペース良く好走を披露して74周目に高木に最終スティントを託す。

 ST-XではAドライバーに登録されたジェントルマンドライバーの使い方がレースでのポイントとなり、今回の第3戦ではレース終盤にトップ3を走行していたTKRI松永建設AMG GT3、DENSO LEXUS RC F GT3、MP Racing GT-Rの3台が最終スティントにAドライバーを起用し、対して優勝を飾ったGrid Motorsport AMG GT3と2位のポルシェセンター岡崎 911 GT3Rは、チームのエースでもあるBドライバーを最終スティントに起用したことが勝負の分かれ目となった。

 Grid Motorsport AMG GT3の最終スティントを担当する高木は、上位3台よりも1周あたり2秒ほど速いペースで周回を続け前車との差を徐々に詰めていく。まず85周目のハイポイントコーナーでMP Racing GT-RのJOE SHINDOを抜き去り3番手に浮上すると、その後も96周目の最終コーナー進入で2番手のDENSO LEXUS RC F GT3の永井秀貴をかわし、106周目にはついにトップを走行するTKRI松永建設AMG GT3のDAISUKEまで追い付き、S字コーナーでインを取ってついに首位に浮上する。

 しかし、その高木と同じく最終スティントで猛烈な追い上げをみせたのがポルシェセンター岡崎 911 GT3Rを駆る上村優太だ。高木と同様に速いラップタイムを刻みジェントルマンドライバーたちを追い抜いてきた上村は、レース残り10分ほどでギャップを4.3秒まで縮める速さを披露するも、高木の背後に迫るまでは至らず、Grid Motorsport AMG GT3を駆る高木がトップチェッカーを受けた。

 自身のスティントを「クルマの状態がすごく良かったので、ああいったパフォーマンスが出せました」と高木は振り返り、この優勝はあくまで「チームの総合力」による勝利だということを強調した。

「マネジメントの山脇さんがこういったチームを作ってくれ、その良いメンバーを全部揃えた結果がこの優勝に繋がったと思います。このシリーズは耐久レースなので、そういった総合力が一番大事だと思います」

 これでポイントランキングでもトップに立ったGrid Motorsport AMG GT3。高木は次戦以降の戦いについて「一発の速さというよりは、みんなの安定した速さを追求していき、ランキングトップも意識して、一歩引いたかたちで次のレースに挑みたいです」と語った。

 そして、チームの初優勝を飾ると同時に、チームプリンシパルでもあるベリーにとっても嬉しい初優勝を飾ったことについて「チームにとっても素晴らしい結果で、シンちゃん(高木)に感謝したい。彼は素晴らしい仕事をしたと思う」とベリーは高木を称賛した。

「このスポーツランドSUGOに初めて来て勝利の記憶を残すのはとてもいいことだね。本当に良い結果で、まだ長い道のりだけど、チャンピオンシップにも役立つと思う」

 富士24時間での活躍に続き、第3戦でも各ドライバーが安定した走りをみせるなど、まさにチームの総合力で好結果を残したGrid Motorsportの戦い方に今後も注目したい。

優勝を喜ぶマーティン・ベリーと高木真一(Grid Motorsport AMG GT3)
優勝を喜ぶマーティン・ベリーと高木真一(Grid Motorsport AMG GT3)
Grid Motorsport AMG GT3(マーティン・ベリー/高木真一/黒澤治樹/山脇大輔)
Grid Motorsport AMG GT3(マーティン・ベリー/高木真一/黒澤治樹/山脇大輔)


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