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F1 ニュース

投稿日: 2017.03.19 10:00
更新日: 2017.03.19 13:13

スペイン人ライターのF1便り:速さを取り戻したフェラーリ、期待外れだったマクラーレン・ホンダ

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F1 | スペイン人ライターのF1便り:速さを取り戻したフェラーリ、期待外れだったマクラーレン・ホンダ

 スペイン在住のフリーライター、アレックス・ガルシアのモータースポーツコラム。8日間のプレシーズンを終え、まもなく開催されるF1開幕戦オーストラリアGP。2014年から続いてきたメルセデス一強時代は終焉を迎えるのだろうか。 

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 快晴のバルセロナ、カタロニア・サーキットで8日間に渡って行われた2017年のプレシーズンテストが幕を下ろした。毎年のように、テストの様子は我々に多くのことを考えさせてくれるが、このプレシーズンテストの走りだけでは、開幕戦オーストラリアGPで何が起こるか、予想するのは難しい。だが、もう間もなく新しいルールとなったF1が何をもたらすか、そして2017年開幕戦の地アルバート・パークで誰が一番速いのかがわかるだろう。

今季はフェラーリとメルセデスがチャンピオンを争うか?
今季はフェラーリとメルセデスがチャンピオンを争うか?

 今回のテストで明らかになったもっとも重要なことは、2014年から続いてきたメルセデスの一強時代が終わりを迎えるだろうということだ。そうは言ってもメルセデスW08は素晴らしいマシンであり、メルセデスをチャンピオン候補にしないというのはありえない選択肢だろう。

 彼らは依然としてプレシーズンテストで2番目に優れたパフォーマンスを見せるだけの速さは持っている。だが、メルセデスが“単なる”2番手だという印象を感じたのは、フェラーリが凄まじい速さで見る者を圧倒したからだ。

 ちょうど1年前、フェラーリは何かよいものを持っているような雰囲気を漂わせていたが、実際のレースではそれほどでもなかった。だが、今年は違う。本物の速さなのだ。今回のテストでは他の多くのチームをしのぐ周回数を走り、ウルトラソフト、スーパーソフト、そしてソフトタイヤで最も速かったのはフェラーリだった。実際に8日間の総合タイムで最速を記録したのはキミ・ライコネンで、2位よりも0.5秒近く速かったのだ。

 フェラーリは一発の速さ、周回タイムのどちらもメルセデスを上回っているように見えるが、対抗するメルセデスは巧妙にポテンシャルを隠している可能性がある。

 しかし、フェラーリのレースシミュレーションのペースはここ数年のチャンピオンチームと同等であり、これは情け容赦なくこのシリーズを支配してきたメルセデスに戦いを挑めるか否かを測るうえでは最も頼もしい証拠となるだろう。メルセデスの牙城を崩すことが現実のものとなるかどうかはまだわからないが、その兆候は確かにあるのだ。

 そういう意味では、冬の間にレッドブルとルノーが成し遂げたことには少しがっかりした。レッドブルRB13がお披露目されたときには少しシンプルすぎるように感じたのだが、プレシーズンテストを通じてその外観に大きな変更が施されることはなかった。メルセデスやフェラーリの非常に複雑な空力パーツと比較すると、そこに関してはレッドブルが彼らと同じレベルにいるとは思えない。ルノー製パワーユニットも満足のいくパフォーマンスを発揮できておらず、信頼性に関する問題でチームを悩ませているようだ。


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