今年のF1中国GPは波乱の幕開けとなった。原因は上空に垂れ込めた濃霧である。
気温13度、路面温度15度、湿度93%のウエットコンディションで開始された金曜日のフリー走行1回目は、悪天候と視界不良により医療用ヘリコプターが離発着できないという理由から2度赤旗出され、走行時間が大幅に短縮された。
天候は午後になっても回復せず、フリー走行2回目のスタート時間である午後2時になっても、ピットレーンの出口はグリーンランプが点灯しなかった。
その状態が1時間以上続き、午後3時16分にFIAは「フリー走行2回目の中止」を決定。セッションが開始されないまま終了するのは、2015年のアメリカGPの予選以来のこと。
ただし、アメリカGPの予選は翌日に順延されたので、セッションが完全に中止となったのは、同じ2015年アメリカGPのフリー走行2回目以来となった。
中国GPの混乱は、これだけにとどまらなかった。じつは上海の天気は土曜日は曇りとなるが、日曜日に再び雨となることが予報されているからだ。
しかも、日曜日の降水確率は96%とかなり高い。そこで、金曜日の夕方のドライバーズミーティングは、通常のドライバーとチームマネージャーだけでなく、チーム代表も参加。
そこで今後のスケジュール変更も含めた話し合いが行われた。その中には、「雨となる日曜日を避けて、スケジュールを前倒しして、土曜日に予選とレースをやってしまおうという」という案も含まれていた。
1 2