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F1 ニュース

投稿日: 2017.04.20 14:52
更新日: 2017.04.20 14:54

F1王者としてインディ500に挑む新人アロンソの勇気【今宮純のザ・ショウダウン】

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F1 | F1王者としてインディ500に挑む新人アロンソの勇気【今宮純のザ・ショウダウン】

 F1ジャーナリストの今宮純氏が様々な要素を【対決】させていく新企画。第1回はインディ500に挑むフェルナンド・アロンソだ。 突如インディ500への参戦が決定したアロンソ、この挑戦は果たして無謀な試みなのだろうか?チーム体制・濃密な走行スケジュールを元に“ルーキー”アロンソの可能性を探る。

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 挑戦というよりも『冒険』だ――フェルナンド・アロンソの決意をそう受けとめたい。
「インディ500を見ずしてアメリカン・レーシングを語るなかれ」。その格言を昨年、第100回記念レースで再びかみしめた。86年に初めて訪れた後、ずっとモナコGPに出向いていたが30年ぶりにインディ500に行き、新たな刺激をうけた。

 2007年までインディアナポリスで開催されたF1アメリカGPの数倍いやそれ以上の賑わい、半年前にチケットは完全ソールドアウト。早朝から推定40万人が押し寄せる人の海のなかで、メガスケールなインディ500に溺れそうになった。

 第2期ホンダF1時代にゲルハルト・ベルガー担当として重責を担ったTエンジニアが、アメリカHPD(ホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント)で現場リーダーを務めている。週末に夕飯を囲み旧交をあたためた。

 アンドレッティ・チームが全精力を今週に注いでいること。マノーから転向の新人アレクサンダー・ロッシがフェニックス・ショートオーバルですぐ順応性を示したこと。他にも貴重な話を聞いた。しかし、F1については口数が少なかった。彼と長谷川祐介ホンダF1総責任者は懇意の間柄、世界と戦う二人にはそれぞれプレッシャーがある――。

 昨年、第100回記念のインディ500にシボレー本社は必勝態勢できていた。ホンダの看板を背負う立場のTエンジニアには、第2期F1時代と同じ重圧がかかっていたのだ。店を出るとトニー・カナーンやボビー・レイホールと遭遇、ヤアヤアと話しかけてきてインディ界の仲間たちはとてもフレンドリーだった。

 超高速戦に身をさらすリスクを共有しているからこそ、互いの心にリスペクトが芽生えるのだろう。いまは希薄になったがひと昔前のGPドライバー達もそうだった。

元F1ドライバーのアレクサンダー・ロッシは、2016年のインディ500でルーキーとして勝利をあげた
2016年のインディ500でルーキーとして勝利をあげた元F1ドライバーのアレクサンダー・ロッシ

 観衆すべて総立ち、200周目のチェッカーがガス欠状態のロッシに振られた。3時間00分02秒0872の結末はホンダの1-2、周りの席では「ロッシって誰? F1から来たルーキーか」と大騒ぎ。Tエンジニアから聞いていたことが目の前で現実になった。


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