更新日: 2024.09.26 02:51
“ミニDRS”論争を良いニュースと語るマクラーレンF1代表「ライバルたちは労力を無駄にしている」
Translation: AKARAG
マクラーレンF1チームのアンドレア・ステラ代表は、英国チームの“ミニDRS”の合法性に関する議論に「満足している」と明かし、「それは彼らがそのことに時間とエネルギーを費やしていることを意味するからだ」と述べ、「ウイングの合法性は議論の余地がない」と主張した。
ステラはまた、チームがウイングについてFIA国際自動車連盟と協議を求めていることを説明した。なぜなら「この話が大きくなっているように見える」ためだ。同氏は、「我々にとって、変更を加えることはかなり透明性の高いことであるため、そうすることに差し支えはない。パフォーマンスの観点から大きな影響はないだろう」と付け加えている。
彼の視点から見ると、この問題は全体が誇張されているという。「ウイングの合法性は明白で、それは事実だ。個人的には、我々のリヤウイングにこれほど注目が集まっているのは良いニュースだと思う。なぜなら、ライバルたちが“自分たちのことに集中していない”ということにほかならないからだ」とステラは言う。
「F1は非常に小さな差を競うゲームであり、非常に複雑だ。つまり、他のチームから多くの注目が集まっているということは、彼らが作業と分析を行いFIAと話し合うだろうということだ。時間もエネルギーも限られているのに、彼らはその時間とエネルギーを、私が偽の手がかりだと思っている何かを追いかけることに使っている。だからマクラーレンとしては、これはグッドニュースなんだ」
「難しいことかもしれないが我々は、合法性の観点から完全に健全な技術的ソリューションを実現したいと考えている。他の人たちが気をそらせたいのであれば、そうし続ければいいだろう。私たちにとって、それは良いニュースにすぎないのだから」
『MCL38』に見られる“ミニDRS”は、低ダウンフォースのリヤウイングでしか使用できず、もちろんシンガポールGPでは使われなかった。予選後の会見でステラは次のように指摘した。「私たちはクルマがコースインしたとき、(リヤウイングの)スロットギャップが大きく開いているのを見ていない。皆さんはどうだい? 見ていない?」
「我々は、コンマ2秒差でポールポジションを獲得したので、皆さんにはそこに注目してもらいたい。しかし、もしそうした意味でこのことが他の人たちの気を散らしているのならば、我々にとっては悪くないニュースだ」
このイタリア人は、技術チームがFIAと行った話し合いについて次のように説明した。「それはまた、我々もライバルチームを研究するうえで適正評価を行っていることをFIAに示す機会にもなった。我々は、ジャーナリストと多くのエネルギーと時間を費やして大きな話題を作りたいとは思っていない。だからFIAには何が起きているのか、我々が考えるところを伝えた」
「私たちは、彼らが他のチームと話し合い、目に見えにくいかもしれないが確実に存在する彼ら自身の問題を解決するだろうと信頼しているし、確信している!」
それは、ステラが次のように説明する理由によるものだ。「レースに臨むマクラーレンのスタッフに、『ああ、当然彼らは勝った。彼らにはこの解決策があるからだ』と考えてもらいたくない。これは考え方の観点から見ると、まさに気を散らされていることになる」
「レースに行くときは自分たちのことを考え、自分たちに集中するべきだ。これはライバルを観察しない、ライバルにどのように変化が起きているかを研究しない、FIAのところに行って『それを調べたか?』と言わないなど、そういった意味ではない。それは技術的な適正評価だ。それがマクラーレンが持つ厳しい競争心なんだ」