フランコ・コラピントのマネージャーを務めるマリア・カタリニューは、2024年後半にウイリアムズで印象的なF1デビューを果たしたこの若きアルゼンチン人が、2025年にレッドブルのチームのシートのひとつを獲得する候補として確かに注目されていたことを認めた。
レッドブルは真剣にコラピントを獲得する意志を表明したものの、レッドブルには既存のジュニアドライバーがいるという主な理由から、才能あるコラピントをチームに迎え入れる契約は実現しなかった。
コラピントは9月のイタリアGPで、苦戦していたローガン・サージェントの後任としてウイリアムズからF1にデビューした。マネージャーのカタリニューによると、21歳のコラピントはウイリアムズでの最初の4レースで2回トップ10フィニッシュを達成するという輝かしいデビューを果たし、すぐにレッドブルだけでなくアルピーヌからも注目を集めたという。
「明らかに、クリスチャン(・ホーナー/レッドブルのチーム代表)はフランコに関心を示していました」とカタリニューは『Corazon de F1』とのインタビューで語った。
「マックス(・フェルスタッペン)のチームメイトとしてレッドブルに所属するか、レッドブルのふたつ目のチームに所属することもできたかもしれません。他のチームもありました」
■レッドブルの優先順位の変化
ホーナーのコラピントへの関心は、サンパウロGPで明らかになった。レッドブルF1のチーム代表であるホーナーが、ウイリアムズF1のチーム代表であるジェームズ・ボウルズと話をしているところが目撃されたのだ。
「クリスチャンはウイリアムズの状況を知りたがっていましたし、ジェームズと話をすることを望んでいました」と、『Bullet Sports Management』のコマーシャルディレクターを務めるカタリニューは説明した。
「最終的に、レッドブルのルートはさまざまな理由で実現しませんでした。まず、レッドブルには多くの組織があり、非常に強力なアカデミーがあり、すでに待機していたドライバーたちがいたために、うまくいかなかったのです」
レッドブルの決定は、2024年の終盤戦でコラピントがクラッシュや失敗を繰り返した頃と時を同じくしていた。コース上でのインシデントは、レッドブルの熱意を弱めたとみられる。さらには、確立された若手ドライバーの活用を優先する姿勢を強めることになり、チームはリアム・ローソンを昇格させた。
■アルピーヌとの新たな章
レッドブルの関心が薄れる一方で、アルピーヌがコラピント獲得を熱心に希望するチームとして浮上し、最終的に長期契約を獲得した。そして、アルピーヌのエグゼクティブアドバイザーであるフラビオ・ブリアトーレの粘り強さが、契約締結の鍵となった。
「フラビオは『彼が欲しい。このように、こんな風にしてほしい』と言いました」とカタリニューは振り返った。
「しかし、ドライバーであるフランコと彼のマネジメント会社、フランコの所属チームであるウイリアムズ、そして関心を持つ他のチームもいたので、非常に複雑でした」
「でもそのように始まったのです。そしてフラビオは、決して関心を失うことはありませんでした」
現在アルピーヌに所属するコラピントは、2025年シーズンをリザーブドライバーとしてスタートさせ、チームのシミュレータープログラムと旧車テスト(TPC)に参加する予定だ。
「彼は非常にうれしく思っています。ほんの数カ月前までは、F1に参戦できるかどうかわからなかったということを認識しなければなりません」
「その後ウイリアムズとの9レースがありました。それでも不確定要素があり、彼は苦悩していました。ウイリアムズには居場所がないからです。そして今、彼は幸せです。とても幸せなのです」
コラピントにとってアルピーヌへの移籍は、今シーズンは待機しながらも、F1において長期的な将来を切り開いていく新たな機会となることを意味する。コラピントのF1での旅は、現在ではエンストンを拠点とするアルピーヌと結びついている。彼の物語は、F1の新星たちのキャリアを形作る激しい競争と複雑な交渉を浮き彫りにしている。