ルイス・ハミルトンは、メルセデスF1に12年間在籍して6回の世界選手権タイトルをもたらした。モータースポーツの歴史における地位を確固たるものにしたパートナーシップだったが、それも2024年末に幕を閉じた。ハミルトンはメルセデスを去る前に、ブラックリーとブリックスワースの3000人の同僚たちに向けて、非常に特別な別れの贈り物を残した。
よくあるような送別用のちょっとした小物の代わりに、ハミルトンはメルセデスの各メンバーのためにユニークな芸術作品を注文した。このためにハミルトンは、有名なモータースポーツアーティストのポール・オズに協力を求め、真に思い出に残る作品を作り上げた。そして、決して挑戦を恐れなかったオズは、見事なスタイルでそれをやり遂げた。
■キャンバスに描かれた象徴的な瞬間
アイルトン・セナに捧げられた、心を揺さぶるような彫刻作品で有名なこのイギリス人アーティストは、2019年のモナコGPでハミルトンが乗ったマシンの印象的な油絵を制作した。
このレースの意味は深い。メルセデスの伝説的ドライバーだったニキ・ラウダが亡くなってからわずか数日後だったにもかかわらず、チームはマシンに赤いヘイローを付けてラウダを称えたのだ。この日、ラウダをモチーフにした赤いヘルメットをかぶったハミルトンは、オーストリアの象徴的人物にふさわしい圧倒的な勝利を収めた。
「今では公になった。メルセデスGPの従業員3000人全員がこのプリントを受け取ったので、これについて話すことができる」と、オズはインスタグラムで共有した。
「ルイス本人がメルセデスの全員への送別プレゼントとして依頼したものだ……一流の振る舞いだ!」
「私に任された唯一のことは、ルイスではなくマシンに集中することだった。そのため、ニキ・ラウダが亡くなってわずか数日後の2019年モナコGPで、チームがニキを偲んで赤いヘイローで走らせたイメージを描くことにした。ルイスはポールポジションを獲得し、レースを支配した」
この傑作の原画は現在、メルセデスのブラックリー本社に誇らしげに飾られており、ハミルトンのレガシーを永遠に思い出させるものになっている。なおオズはこの作品について、「申し訳ないが、プリントは市販しないんだ」と説明している。