レッドブルは、昨年以降、何人かのチームメンバーが離脱、それによってグループ内の再編成を行うにあたり、他チームから人材を獲得するのではなく、内部の人材を活用する形を選んだ。昨シーズン初めにマックス・フェルスタッペンのナンバー1メカニックがキック・ザウバーにチーフメカニックとして移籍した後も、昨年末でスポーティングディレクターのジョナサン・ウィートリーが退任した際にも、そういう対応がなされた。
メカニックとしてキャリアを始め、レッドブルでスポーティングディレクターを長年務めたウィートリーは、2024年末のチームのクリスマスパーティーの後に古巣を離れた。彼がザウバー代表の座に就くのは今年4月からとみられている。
ウィートリーはレッドブルで多岐にわたる職務を担っていた。チーム代表クリスチャン・ホーナーは、それを複数の上級メンバーに分担させることを決めた。
たとえば、シニア・レースストラテジー・エンジニアだったスティーブ・ノウルズが、FIAおよびレースエンジニアの間のすべてのコミュニケーションを担当する。ウィートリーはこの役職において、2021年最終戦に大きな成果を挙げた。決勝時、当時のレースディレクター、マイケル・マシに、フェルスタッペンに圧倒的に有利に働くような判断を下させることに成功し、ドライバーズタイトルを手に入れたのだ。
ウィートリーのその他の職務は、ロジスティクス責任者とチーフメカニックによって分担される。
レースチーム内では他にも変化が起きつつある。セルジオ・ペレスのレースエンジニアとして大成功とはいえない2年間を過ごしたヒュー・バードは、ファクトリー業務に戻ることになった。リアム・ローソンのレースエンジニアの役割は、元パフォーマンスエンジニアであるリチャード・ウッドが担う。ウッドは2024年にバードが育児休暇を取得していた期間の数戦で代役を務めた。
興味深いことに、レッドブルは、移籍が決まっている戦略ディレクターのウィル・コートネイを当面、外さないことにした。コートネイはマクラーレンに移籍することが決定しているが、少なくとも今年のサマーブレイクまではピットウォールに残り、後任となるだろうハンナ・シュミッツが彼をサポートする。サマーブレイク後に権限の移行が行われる可能性があり、コートネイは、業務から外れた後に6カ月のガーデニング休暇に入り、2026年にマクラーレンに加入し、スポーティングディレクターとして働くことになるだろう。