F1スペインGPの前日木曜日は朝から大雨が降っていたが、金曜日は朝から快晴。午前10時からのフリー走行1回目は、気温19℃、路面温度24℃、微風のコンディションで始まった。とはいえ路面はまだ滑りやすく、ハードコンパウンドで出て行ったケビン・マグヌッセンが、「全然グリップがない!」と、悲鳴を上げていた。
ヨーロッパラウンドの緒戦スペインGPには例年、各チームが大きなアップデートを投入する。今年もそれは例外ではなく、中でもメルセデスとレッドブルの改良空力パーツが大きな注目を集めていた。ただし木曜日のダニエル・リカルドは、「性能が大幅に向上してるわけじゃない。今週末に優勝できるとは思ってないよ」と、慎重なコメントだった。
開始後12分、コースに出ていったばかりのフェルナンド・アロンソがターン2立ち上がりでスピン、オイルをまき散らしながら止まってしまった。今回投入されたエンジン周りのマイナーアップデートとの関連は不明だが、前日に「ホンダ製パワーユニットの信頼性の低さは、まったく許容できない」と吐き捨てていたアロンソは、「コーナーをひとつ回っただけでエンジンがブローした。本当にファンに申しわけない」と、その声はむしろ哀しそうだった。
その10分後には、メインストレートでスローダウンしたセバスチャン・ベッテルが、「ギヤボックストラブル」と無線で伝えながらピット出口でマシンを止めた。10時半の時点で、この二人以外ではマックス・フェルスタッペンとトロロッソの2台がまだまともなタイムを出せていない。