2025年シーズンは、残るところあと6戦となった。この6戦において、ほとんどのチームが新人ドライバーをフリー走行1回目に起用することになっており、徐々にその参加者が見えてきた。
残り6戦のうち第19戦アメリカGP、第21戦サンパウロGP、第23戦カタールGPはスプリントイベントであるため、チームはこの3戦を避けて、第20戦メキシコシティGP、第22戦ラスベガスGP、第24戦アブダビGPで、ルーキードライバーに義務的に1台のマシンを託すことになる。しかしラスベガスでのストリートレースはドライバーにとって独特の課題を伴うため、その週末に新人をマシンに乗せるリスクを冒すチームはまずないだろう。
マクラーレンを含む3チームは、メキシコシティGPのFP1でそれぞれ1名のルーキーを走らせることをすでに発表している。マクラーレンでは地元の英雄パト・オワードがランド・ノリスのMCL39を引き継ぐ。コンストラクターズチャンピオンチームの最後のルーキー走行はアブダビで行われ、オスカー・ピアストリがFP1を譲ることになる。なお、アレクサンダー・ダンがマクラーレンのプログラムから外れたため、そのセッションに出場するドライバーの名前はまだ明らかになっていない。マクラーレンの若手ドライバー育成プログラムに参加している他のドライバーは経験不足でそのレベルに達していないため、オワードが2度目の出場を果たす可能性が高い。
ウイリアムズのルーク・ブラウニングもカルロス・サインツに代わってメキシコシティGPのFP1に出場する。その後、アブダビではアレクサンダー・アルボンがマシンを譲ることになるが、彼のマシンを引き継ぐのがブラウニングとビクトール・マルタンス(第9戦スペインGPでFP1に参加)のどちらになるかはまだ発表されていない。
平川亮もメキシコシティGPとアブダビGPでFP1に参加することが決まっており、ハースは新人ドライバーに義務付けられている4回のFP1セッションを完了する。また、少なくとも他の3チームが若手ドライバーにメキシコでセッションを託す可能性が高い。この3チームはまだ2回のセッションを残しているが、ラスベガスでリスクを冒したくないからだ。
レッドブルは、第4戦バーレーンGPで岩佐歩夢を、第12戦イギリスGPでアービッド・リンドブラッドを起用しており、あと2回新人を起用しなければならない。すでにFP1を走った岩佐とリンドブラッドと、ダンの3人が候補とされている。メルセデスには1回のセッションが残っており、バーレーンと同様にフレデリック・ベスティがジョージ・ラッセルのマシンを引き継ぐ可能性が高い。
フェラーリでは、ルイス・ハミルトンは年末までに2回のFP1セッションを譲る必要がある。フェラーリはそれらのセッションに向けてディーノ・ベガノビッチ(バーレーンGPと第11戦オーストリアGPでシャルル・ルクレールのマシンをドライブ済み)、アーサー・ルクレール、アントニオ・フォコのなかから選択する必要がある。
アストンマーティンのランス・ストロールと、レーシングブルズのリアム・ローソン、アルピーヌのピエール・ガスリーも同じく、今後2戦のフリー走行でマシンを開け渡さなければならない状況だ。バーレーンGPと第14戦ハンガリーGPのFP1セッションではフェリペ・ドルゴヴィッチがフェルナンド・アロンソに代わって出場したが、ドルゴヴィッチはもう1度参加する可能性が高く、ジャック・クロフォードも出場するものとみられる。
ローソンの場合はレッドブルと同様、岩佐、リンドブラッド、ダンの3人が候補となる可能性がある。アルピーヌでは、第16戦イタリアGPでフランコ・コラピントの代わりにFP1を走行したポール・アーロンが、メキシコシティGPとアブダビGPでガスリーの代わりを務めると考えられている。アルピーヌは第1戦オーストラリアGPでジャック・ドゥーハンをルーキーとしてカウントする申請をせず、この義務的ルールにカウントしたのは第3戦日本GPでの平川のFP1参加(ドゥーハンのマシンをドライブ)からだった。そのため、コラピントはシーズン終了まで他のセッションを欠場する必要がなくなる。
つまり、ザウバーは新人ドライバーに義務付けられているFP1セッション4回を完了した唯一のチームということだ。最初の2回のグランプリではボルトレートがルーキードライバーだったが、その後イギリスGPとハンガリーGPでは、アルピーヌとザウバーがドライバーを貸し出す契約に合意したためアーロンがニコ・ヒュルケンベルグのマシンをドライブした。








