今年のF1モナコGPは大いに荒れた。マシンの高速化とワイド化によってクラッシュが多発したのは間違いないだろう。そんな大荒れの場面を無線で振り返ってみよう。
走り始めのFP1からトップドライバーたちはマシンの車幅感覚を掴むために限界を攻めていった。セバスチャン・ベッテル、キミ・ライコネン、ジェンソン・バトンらがプールサイドシケイン出口のターン15イン側のガードレールをかすめるように走る場面がスーパースロー映像で捉えられた。それでもマシンを壊すところまでいかないのはさすが、超一流のドライバーたちだ。
ベッテル「OK、ちょっとチェックしてくれ。ターン16への入口のバリアをブラシしたから」
バトン「スイミングプールのバリアに擦ったよ。とてもジェントルにだったけどね」
そしてFP2ではランス・ストロールがマスネで今年最初のクラッシュを演じた。
ストロール「とにかく全体的にグリップが欠けている。どうしてだ?」
そう不満を訴えていた矢先のクラッシュだった。
土曜午前のFP3では、昨年後半デビューでモナコ初体験のエステバン・オコンが洗礼を浴びることになった。
オコン(以下、OCO)「第3セクターでずっとブロックされたよ」
フォース・インディア(以下、FIN)「それがモナコっていうものだよ」
レースエンジニアとそんなやりとりをしていた矢先に、ベテランたちがかすめたターン15のガードレールにヒット。右フロントを壊し、ターン16イン側の“発射台”のようなソーセージ縁石で跳ねて出口のガードレールにまっすぐ突き刺さった。
OCO「クラッシュしたよ」
FIN「大丈夫か?」
OCO「あぁ、大丈夫だよ」