ロバート・クビカが、6年ぶりのF1走行は感動的な時間だったと語った。チームも彼自身もこの日のパフォーマンスには満足していると述べているものの、クビカは複雑な心境ものぞかせている。
2010年からルノーに所属していたクビカは、2011年、ロータス・ルノーGPと名称を変えた同チームへの残留が決まり、2月にバレンシアでの新車テストに参加。しかしその数日後、イタリアのラリーに出場してクラッシュ、重傷を負ったことで、F1キャリアの中断を余儀なくされた。
右腕にひどい損傷を受けたクビカだが、2012年にラリーでレース活動を再開、それ以降、WRC2、WRCに参戦、2016年には耐久レースなどでサーキット活動にも復帰した。
今年のWEC参戦計画は中止したものの、今年4月にはGP3マシンをテストドライブ、事故以来初のフォーミュラマシン走行を行った。5月にはフォーミュラEのテストにも参加している。
そして6月6日、スペイン バレンシアでのルノーのテストで、クビカは2012年ロータスE20をドライブした。クビカは、現在のルノーのカラーに塗り替えられたE20で115ラップを周回、さまざまな燃料量での走行を行った。
「このテストを実現してくれたすべての人たちに感謝したい」と走行を終えたクビカは語った。
「皆にとっていい一日になったと思う。2010年当時の昔の僕を見ることができたんじゃないかな」
「僕にとって、感情的な面で、とても大事な一日だった。(F1の)パドックから長年遠ざかり、難しい時期を過ごしてきた。懸命に努力を積み重ねてきたけれど、数年前には無理だと感じていた」
「複雑な気持ちだよ。今日、自分が成し遂げたことを誇りに思う。一方で、自分が何を失ったかもはっきりした」
「今後どうなるのかは分からない。でもひとつ言えるのは、今回のチャンスのために1年以上準備を整えてきた結果、難しいコンディションの下、いいペースで、一貫した走りができたということだ」
「6年間離れていたから簡単ではなかったが、やるべき仕事ができることは分かっていた。満足していいと思う」
「このチャンスをもらえて感謝している。ルノーは2005年に僕にとって初めてのF1テストのチャンスをくれた。今回またテストをさせてもらえて感謝している」
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