F1のモータースポーツ担当マネジングディレクターであるロス・ブラウンは、将来のF1エンジンのプラットフォームにおいて、ハイブリッド技術要素は戦略的な要素として残すべきだと考えている。
ブラウンは2021年以降の次世代F1パワーユニットについて、その方向性や詳細を明確化するべく議論や分析を続けている。
ハイブリッド技術の要素を残す一方で、ブラウンは各マニュファクチャラーやファンがそれぞれ持っている要望の「間をとって妥協する」ようなプラットフォームに決めるつもりはないという。
水曜日に開催されたF1ライブ・ロンドンに出席したブラウンは「我々は現在、エンジンメーカー、自動車メーカー、さらにコスワースやイルモアといったレース用エンジン専門メーカーなどと大いに議論しながら、検討を進めているところだ」と話し、以下のように続けた。
「異なる意見の中間に妥協点を見つけて、みんなの気持ちを害さないようにすることが目的なのではない。なぜならそれはベストの解決策にならないからだ」
「だがハイブリッド技術はおそらく継続になるだろう。この技術には(市販車との)関連性があり、マニュファクチャラーも関与できるからだ。しかしその部分は、戦略として使えるクオリティにすることができるかもしれない」
「レースにおいて、バッテリーのパワーやハイブリッドの特性をうまく活かすことでドライバーが優位に立つ余地は大いにある」
ブラウンはこれを証明する興味深い事例について、以下のように語った。
「これはあまり知られていないことだが、アゼルバイジャンGPで(バルテリ・)ボッタスが(ランス・)ストロールを追い越せたのは、セーブしていたバッテリーをあの最後のセクションで使ったからなんだ。彼は戦術的な使い方をした」
「我々はテレビを見てこれに気付くべきだった。(ハイブリッドの利点が)実証されたのだ。ハイブリッドについては、この点からも関心を持ってもらえるはずだ」