「そして、いまこの表彰台の下にいるビリーにも、感謝したい。彼との出会いは、僕にとって大きな励みになった。来てくれて、ありがとう。今日のレースは彼のために戦った」 イギリスGPで4連覇を達成し、通算最多タイとなる5度目の優勝を飾ったルイス・ハミルトンは、表彰式でのスピーチでそう言った。
ビリーとは、今年4月にドニントンパークで行われたイギリスF4のレース中にアクシデントに見舞われ、両脚切断の大ケガを負ったビリー・モンガーくんのことだ。ハミルトンは事故後、初めて開催された母国グランプリに、イギリスに住むモンガーくんを招待していた。
ただ、モンガーくんは18歳の少年で、手術を終えたはかりということもあり、家族のサポートが必要だった。そのため、ハミルトンはモンガーくんだけでなく、モンガーくんの一家全員をシルバーストンに招待していた。
金曜日と土曜日は、父親のロブさんと2人でサーキットを訪れ、モンガーくんは特別にメルセデスのガレージに入る許可を得て、間近でフリー走行の様子を見ていた。
日曜日には母親のアマンダさん、弟のデブリンくん(17歳)、妹のボニーさん(16歳)も駆けつけた。現在、イギリスF3選手権にカーリンから参戦しているデブリンくんは、「自分のレースでシルバーストンに来たことはあるけど、F1で来たのは初めて」と、華やかな雰囲気を楽しんでいた。
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