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F1 ニュース

投稿日: 2017.10.24 12:53
更新日: 2017.10.24 12:54

後方から次々とライバルを撃墜していくフェルスタッペンの凄み【F1アメリカGP決勝分析】

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F1 | 後方から次々とライバルを撃墜していくフェルスタッペンの凄み【F1アメリカGP決勝分析】

 2017年F1第17戦アメリカGPは初日からトップを走り続けたルイス・ハミルトンが完勝。そんななか16番グリッドからマックス・フェルスタッペンが怒涛の追い上げを見せ、4位に入賞している。ニッポンのF1のご意見番、今宮純氏がアメリカGPを振り返り、その深層に迫る──。 

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2017年F1第17戦アメリカGP 2位表彰台にくらいついたセバスチャン・ベッテル

 クリントン元大統領がいて、人類最速者ウサイン・ボルトさんも表彰台に上がった表彰式セレモニー。ルイス・ハミルトンが4冠王戴冠となっていたなら、主催者の演出は大いに盛り上がったのだろう。それに待ったをかけたのがフェラーリだ。コース外でのショーアップが派手だったアメリカGP、コース上でくいさがった名門チームとベッテルの意気地に『レーシング魂』を見た――。

 金曜FP1から予選Q3セッションまですべて1位、今年ハミルトンにはなかった。さかのぼれば昨年開幕戦オーストラリアGP以来の絶好調ぶり、この絶対的スピードにあらためて驚かされた。前回も触れたように鈴鹿から彼は走りの理念を切り替え、コーナリングのリズムを一定に高く保つ攻めと守りの高次元バランスが素晴らしい。

 はっきり分かった。それは強風が渦巻くCOTAでのマシンコントロールだ。とくにセクター1のS字はシルバーストーンや鈴鹿のコピーに見えても実は違い、上り下りやバンプが複雑に絡まる。

 風×バンプ×低グリップ路面、非常にトリッキーなコーナー・ワークを強いられるのだ。FP1からハミルトンはそうした“トリック”にはまることなく、瞬時にラインを少しだけ変えつつ、アクセル開度を500回転くらい上下させていた。

 細やかなバランス・スロットルだ。それができるのもこのセクターに過去2年圧倒的に強く、その経験値があるからだろう。比べては申し訳ないがバルテリ・ボッタスはこのセクターで自信が持てず、ハミルトンが“荷重移動”によってコントロールする感覚を試してもできなかった。

 テレメトリー・データ数値でマシン挙動分析・比較はできるが、微細な“荷重移動”のリアクションを瞬時に行うのはコクピットの自分。おそらくまじめ(すぎる)ボッタスは毎晩、ベッドで悩んだことだろう……。

 コース幅が広いハイウェイ・サーキットで見ごたえあるオーバーテイク・ショーが今年も。それだけにドライバー力がチーム戦略などより際立った――。


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