ポイント獲得は確実だったはずのF1アメリカGPで、マクラーレン・ホンダはまたしてもノーポイントに終わってしまった。
予選後のMGU-Hダメージ進行が予想以上だったため安全を見越してパワーユニット交換を決めたストフェル・バンドーンは、最後尾グリッドからの追い上げを強いられたが序盤のうちに下位勢を抜き4周目にはマーカス・エリクソンをパスして15位まで挽回した。
マクラーレン(以下、MCL)「まさに言っていた通りの走りだ、ブリリアントジョブだ! 前のSTR(トロロッソ)はプライムタイヤだ」
ランス・ストロールのペースは速くないが、ストレートが速いため追い抜きは容易ではない。マクラーレンは早めのピットストップでクリーンエアになって本来のペースで走ることも視野に入れていた。
MCL「STRをオーバーテイクできると思う? それともピットインしてジャンプする必要がある?」
バンドーン(以下、VAN)「分からないよ。もう1回やってみさせてくれ」
MCL「了解、すごく接戦だ、ファイトし続けろ」
そしてバンドーンは8周目にストロールをオーバーテイクすることに成功した。ウイングを立てているため単独走行ではストレート後半の伸びはないが、低速からの立ち上がりとストレート前半はライバルと比べても見劣りはしない。そこで1秒以内につけDRSを使えば、ストレート後半でも戦うことができるというわけだ。
MCL「グレートジョブ、ストフェル!」
一方、8番グリッドからスタートしたフェルナンド・アロンソは7番手に浮上してカルロス・サインツJr.を抑え、12周目にピットインしたセルジオ・ペレスのアンダーカットに対抗するため全開で走っていた。
MCL「100%ペース」
アロンソ(以下、ALO)「4輪ともデグラデーションが進んでいる。でもまだマネージメント可能だ」
14周目、ピットインで背後に来たダニエル・リカルドを避けるようにピットに飛び込んだ。
MCL「後ろはRIC(リカルド)、彼にタイムロスしたくない。100%、100%ペース。この周ピットインしろ」
これでペレスの前でコースに戻り、エステバン・オコン、アロンソ、ペレスの順になる。チームからは背後に迫りつつあるペレスとのギャップが逐次伝えられるが、アロンソはやや苛立ちを見せる。