F1シーズンを転戦していると、いろいろな人との出会いがある。そんな人たちに、「あなたは何しに、レースに来たのか?」を尋ねる連載企画。4年連続コンストラクターズタイトルを決めたメルセデスのホスピタリティに、良きライバルのマウリシオ・アリバベーネと、チームをよく知るロス・ブラウンがやってきた。
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アメリカGPのレース後、メルセデスのエグゼクティブディレクターを務めるトト・ウォルフが自チームのホスピタリティハウスで、定例の記者会見を開いていると、質疑応答の途中でウォルフが突然立ち上がり、「マウリシオ、入ってこいよ!」と叫んだ。
振り返ると、フェラーリF1代表のアリバベーネが立っていた。気がつくと、ウォルフが駆け寄って来ていて、目の前で握手をした後、抱き合っていた。アリバベーネはメルセデスの4年連続コンストラクターズ選手権制覇を讃えに来たのである。
メルセデスとフェラーリは、今シーズンのタイトル争いを盛り上げたライバル同士だが、この2人は個人的には普段からパドックで立ち話をするほど、仲が良く、そんな良好な関係を象徴するシーンだった。
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