標高2200mの高地メキシコシティでは、パワーユニットが悲鳴を上げた。空気の薄さによるパワー低下をカバーするために通常よりも高い回転数でターボを回し過給圧を上げなければならず、その反面、空気が薄いがために冷却は厳しくなる。そのダブルパンチに上手く対応できなかったのが、ルノーだった。
その兆候は金曜午前のフリー走行1回目から早くも現われた。ブレンドン・ハートレーのマシンがターン4に止まり、MGU-Kによる再起動でなんとかピットに戻った。
ハートレー(以下、HAR)「エンジンが止まった。TCの熱でエンジンが止まったみたいだ」
トロロッソ(以下、STR)「P1にしてそのままスタンバイしてくれ……。MGU-Kで再起動してP2に」
HAR「エンジンが掛かったよ。大丈夫そうだ。走っても良いかい?」
STR「イエス、走って良いよ」
そして金曜午後にはトロロッソの2台ともにトラブルが発生した。ピエール・ガスリーは10周しかできず、40周走ったハートレーも問題を抱えた。
HAR「T5のエイペックスでエンジンから変な音がしている」
STR「OK、了解」
HAR「ストレートエンドでフィーリングがおかしい」
STR「了解、チェックしている。エンジンか?」
HAR「エンジンだ」
STR「BOX、BOX」