ウイリアムズの技術陣を率いるパディ・ロウは、F1の車重が重くなる一方だった最近10年間の傾向を、将来のF1のルールで転換する必要があると考えている。
コックピット保護デバイス、ハロの導入に伴い、FIAは2018年のF1車両の最低重量を5kg増の733kgとした。
だが、10年前の2008年に適用されていたF1の最低重量と比べると、これは実に130kg近くも車重が増したことを意味する。ロウの意見によれば、将来のF1マシンはもっと軽量化すべきだという。
「車両の重量は、過去10年間で劇的に増加してきた。F1が本当にスプリントフォーミュラであろうとするなら、予選でもレースでも圧倒的に速いクルマでなければならない」と、彼は言う。
「約1時間半、距離にして300kmほどのレースは比較的短いものだ。よって、F1は耐久レース用のクルマである必要はないのだが、最近は車重がどんどん重くなって、スプリントレースより耐久レースの車両のレベルに近づいている」
「重要なのは、エキサイティングなマシンを作ることだ。F1はスポーツであると同時に、エンタテイメントでもある。これが意味するのは、クルマがファンにとってエキサイティングで、かつ互いに激しく競り合うものでなければならないということだ」
「時として、この2つの要素は相反する。遠い過去のように、クルマをバラエティに富んだものにしてファンの関心を呼ぼうとすると、どうしてもパフォーマンスの差が大きくなってしまう。そうなると、今度はレースの面白みが失われる」