昨年、コンストラクターズ選手権9位に低迷したマクラーレン・ホンダ。その最大の原因は、ホンダのパワーユニットのパフォーマンス不足にあったことは周知の事実だ。遅々として進まないホンダのPU開発に業を煮やしたマクラーレンはホンダへ三行半を突きつけ、ルノーと契約を新たに締結した。
ところが、今年の合同テストでマクラーレンは連日のようにトラブルに見舞われた。テスト初日のホイールナットの不具合は深刻なものではなかったが、2日目以降はパワーユニット関連にトラブルが相次いだ。エキゾーストクリップの破損(2日目)、バッテリーが原因による電気系統シャットダウンとハイドロ漏れ(5日目)、オイル漏れ(6日目)、ターボが不具合を起こしてオイル漏れ(8日目)。
じつはマクラーレンは昨年のテストでも、トラブルを起こしていた。
昨年の2回目のテストの2日目、27周を走行したところで車体側に水漏れのトラブルが発生し、その後、修復したものの46周の走行にとどまった。
翌日の3月9日にはバンドーンのマシンに電気系のトラブルが発生。最悪だったのは、チーム側が電源の供給元となっているパワーユニット周辺を疑ったため、ホンダのスタッフがバッテリーパックを交換。ところが、トラブルの原因は車体側にあったため、その後も何度も同じトラブルに見舞われるという事態を招いた。
ホンダのトラブルばかりがクローズアップされたが、マクラーレンもトラブルを引き起こしていた。
さらに今年のテストで見舞われたトラブルを見ていると、昨年のパワーユニットのトラブルも、じつはマクラーレンの車体にトラブルを誘発させるなんらかの原因があったのではないかとも考えられる。というのも、ルノーPU勢の中で何度もトラブルに見舞われていたのがマクラーレンだったからだ。