いよいよ迎える2018年シーズンの開幕を前に、トロロッソ・ホンダの活躍に大きな期待が寄せられている。チームにとってもホンダにとっても、開幕前のバルセロナ合同テストでこれまでになかったような好調な走りを見せただけに、それは当然のことかもしれない。
しかし、少なくとも開幕戦に関して言えば過度な期待はしない方が良いかもしれない。そのくらい、彼らが戦わなければならない中団グループは大混戦だからだ。
トロロッソ・ホンダは8日間で822周3,826.41kmをほぼノートラブルで走り切った。ブレーキシステムやセンサーにトラブルが出てピットガレージで修復作業を余儀なくされる場面もあったが、いずれも設計の根幹に関わるようなものではなくマイナートラブルといっていいものだった。
パワーユニットも最終日にデータ上に異常値が見つかったため念のため2時間弱早めに走行を切り上げることとなったが、テスト2週目の4日間は無交換で計498周2,318.19kmを走破して信頼性を確認した。これはフリー走行から決勝までを含めて『3レース週末分』に相当する距離だ。この4日間の中で、7戦使用しなければならないパワーユニット本体の信頼性だけでなく、随時交換が可能なメンテナンスパーツの整備サイクルも確認している。
昨年はMGU-Kのシャフト交換タイミングを読み誤ったせいで無用なトラブルとコンポーネント破損ということもあったが、今年はこうした点での信頼性も向上できそうだ。
つまり、車体とパワーユニットの両面において信頼性が高いということは証明された。しかし肝心なのは速さだ。