F1の元最高権威者バーニー・エクレストンは、F1における安全性の追求はドライバーの栄光とオーラを損ね、彼らに対する観衆の印象を変えてしまっていると考えている。
F1は、リバティメディアとFIAによる運営のもとで、現代的な社会および環境規範に合致するよう、導かれつつある。
昨年初頭に職務を退いて以来は外部よりF1を見守っているエクレストンによると、F1の段階的な変化が、ファンにとっての魅力の大部分をグランプリレースから削いでしまっているという。
「昨年、私はリスクの概念についてセバスチャン(・ベッテル)およびルイス(・ハミルトン)と話をした」とエクレストンはベルギーの日刊紙Le Soirに述べた。
「彼らのことを過激な人間だと思ってはいけない。特に、今や父親となったセバスチャンはそうではない。だがふたりとも、自分は平均的な人間が決してできないことをやっていると感じていると私に話した。それこそが彼らが称賛を受けている理由だ」
「サーカスの軽業師の綱渡りを見るといい。地面からずっと高い所の綱の上を歩いて、観客の注目を集めている。そしてもちろん、彼らは称賛を得る」
「だが観客がそこにいるのは、軽業師がとても高いリスクを負っているからだ。もし同じことを地面からたった1メートルのところでやっていたら、誰も見はしない!」
87歳のエクレストンはF1とサーカスの類似点を指摘するが、彼はF1が安全性に重点を置いていることにある程度は理解を示している。しかしながら、彼はハロを支持してはいない。