メルセデスのルイス・ハミルトンは、F1オーストラリアGP決勝終盤にスピードを落としたのはエンジンを労るためだった、と明かした。メルセデスは、ハミルトンのエンジンにはダメージはなく、良い状態のまま今後のレースで使用し続けることができると予想している。
2018年には、各ドライバーがシーズンの全21レースをわずか3基のパワーユニットで戦い通さなければならない(一部エレメントは2基に制限)。基数制限を超えるとグリッド降格の罰則が適用される。
レース序盤をリードしていたハミルトンは、バーチャルセーフティカー導入によりフェラーリのセバスチャン・ベッテルの後ろに後退、しばらくは首位を取り戻すべくチャレンジした。しかし終盤、パワーユニットの基数制限を念頭に入れて、ハミルトンはベッテルを追うことを断念した。
ハミルトンは、「残りのラップで彼をつかまえるのは無理だと考えた。タイヤの状況もさらに悪くなりそうだった」と説明し、さらに以下のように続けた。
「エンジンがオーバーヒート気味だった。僕はこのエンジンでシーズン中の7戦か、できればそれ以上を戦っていかなければならないんだ」
「『僕は今110パーセントの力で走っている。あと7ポイントを追加するためだけにすべてを危険にさらそうとしている』と考えたんだ」
結局ハミルトンは、世界タイトル獲得を目指す長いシーズンのなかでは用心深く戦っていく必要があるという結論を出さざるを得なかった。
「僕は3基のエンジンでシーズンを終えたい。4基目を使うはめにはなりたくないんだ」
ハミルトンは自身の決断を振り返ってこう語った。「追うのをやめて、エンジンをセーブし、今後のレースのためにライフを残しておくべきだ。そう考えた」
「燃料の節約やその他もろもろのこと、そして3基のエンジンなど、このスポーツなりのやり方というものがある。それらを考慮に入れてスピードを落とす必要があった」
「それは僕のレースに対する姿勢には反している。僕は最後の最後まで戦い抜きたいからだ」
「ファンは見ていても楽しくなかっただろうね。最後まで全力で戦いきるところを見たかっただろうと思う」