メルセデスF1チームのチーフストラテジスト、ジェイムズ・ボウルズは、2018年仕様のピレリタイヤからコンパウンドの性能をフルに引き出すという点では、ライバルチームもメルセデスと同じ状況にあるだろうと語っている。
メルセデスは2018年シーズン最初の3戦でいずれも勝利を逃がし、2013年以降では最も苦しいシーズンの立ち上がり時期を送っている。
メルセデスの2018年型マシンであるW09は非常に出来の良いマシンだというのが大方の認識だが、チームは今も一貫性の追求を続けている。ボウルズによれば、チームのパフォーマンスに振れ幅が生じている原因として、タイヤと温度の影響が大きいのだという。
ボウルズはメルセデスのビデオコンテンツで、「今季仕様のタイヤの影響はあると思う」と述べたうえで以下のように続けた。
「だが、それより重要なふたつ目の側面もある。それはメルセデス、フェラーリ、レッドブルの3チームがいずれも、履いているタイヤ、走行しているコースによって、異なるレベルのパフォーマンスを互いに発揮し合うことがあるということだ」
「つまり路面温度や天候の状況、履いているタイヤなどに左右されるかたちで、それぞれのマシンがそれぞれ異なるレベルのパフォーマンスを発揮するということが起きているのだ」
「コースにおける環境要因が変化してきている。コースに出たときに風が強いか弱いか、あるいはコンディションが寒いか暑いか次第で、ラップタイムに大きいときでは1秒の振れ幅が生じることもある。環境要因の変化に影響を受けているからだ」
ボウルズはこれまでの3戦を振り返り、メルセデスのパフォーマンスに幅が大きい要因について、以下のように分析している。
「メルボルンでは、履いていたタイヤでマシンをうまく機能させることができた。予選のQ3ではルイス(・ハミルトン)のマシンが非常に速いタイムを出した」
「バーレーンに行くと、我々のマシンでミディアムタイヤがとても良く機能した。また、スーパーソフトでのデグラデーションの程度も良かったと思う」