複数の関係者による取材の結果、今シーズン、ホンダが使用している燃料および潤滑油がエクソン・モービル社製であることが判明した。
ホンダはF1に復帰する2015年から2年間、エクソン・モービルの燃料を使用していたが、2017年にマクラーレンがエクソン・モービルからBPカストロールへと契約を変更したため、昨年はBPカストロールを使用していた。
だが、ホンダは昨年の9月に2017年限りでマクラーレンとの提携を解消。2018年からはトロロッソとパートナーを組むことを発表したが、使用する燃料がどのメーカーのものになるのか注目されていた。
F1では使用ガソリンをパワーユニットに合わせて専用開発することができるため、0.1秒を争うF1においてはガソリンの差は大きなパフォーマンスとして表れる。そのため、使用ガソリンメーカーがどこになるのかは、パワーユニット・マニュファクチャラーにとって非常に重要だ。
昨年もシーズン中にホンダの長谷川祐介元総責任者が「BPカストロールの仕事ぶりには非常に満足してます。われわれのエンジンの性能向上に大きく貢献してくれました」と語っていた。
だが、燃料および潤滑油メーカーの選定は、チームにとってもスポンサーマネーを獲得するという点で重要となる。そのため、トップチームの多くはPUマニュファクチャラーの意思よりもチームの台所事情が優先される。
エクソン・モービルとの契約をレッドブルに持って行かれたマクラーレンがBPカストロールと新たに契約を結んだのも、技術的な理由よりも財政的な判断が勝ったからだと思われる。
ところが、ホンダがトロロッソと組むにあたっては、燃料および潤滑油メーカーの選定は、ホンダがイニシアチブを得る権利を得た。これはどの燃料および潤滑油メーカーにしろ、メーカーからトロロッソにスポンサー料を支払う契約とはならず、燃料および潤滑油を供給するというテクニカルサポートにとどまるためだった。その結果、ホンダが選んだのがエクソン・モービルだった。
この契約には、もうひとつ別の意味が隠されている可能性がある。