第2戦バーレーンGPで復帰後、最高位となる4位を獲得したホンダ。開幕戦ではMGU-Hにトラブルを発生させたものの、トロロッソともに地に足をつけた戦いを演じている。
その要因のひとつが、F1に携わっているスタッフの再編だ。
例えば、これまでフェルナンド・アロンソを担当してきたPUのパフォーマンスエンジニアは森秀臣だった。第3期F1活動でもデータエンジニアとして活躍した森は、ホンダが13年にF1復帰を発表すると、その年の12月に量産のハイブリッドエンジンの制御などの開発を行う部署から、F1のプロジェクトへ移動。現場スタッフとして復帰への準備を行なった。
しかし、7年間のブランクは想像以上に長かった。
「大変だったのは、参戦するために組織を立ち上げ、現場でのインフラを構築して、プロジェクトを軌道に乗せることでした。08年にホンダが撤退して15年に復活するまでの7年間でF1は大きく変わっていました」と森は語る。
そんな中で迎えた14年のシーズン終了後のテストは、地獄のような日々となった。
「アブダビでのテスト前にシルバーストンでシェイクダウンを行う予定だったんですが、なんとかマシンが動いたものの、満足な走行ができず、収穫はゼロでした」
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