アゼルバイジャンGPではメルセデスF1とルイス・ハミルトンがようやく今季初優勝を成し遂げたが、バルテリ・ボッタスはひどい不運に見舞われ、チェッカー2周前にリタイアを喫している。チームのトップであるトト・ウォルフは、この結果はほろ苦いものであったと語っている。
レース終盤、最後のセーフティカーの後はフェラーリが背後から迫ってきてはいたものの、ボッタスがレースをリードしていた。このとき、チームは感情が高まった状態であったとウォルフは認めている。
「残酷なレース展開であり、おそらくはファンが見たいと思っていたグランプリというものは、まさにこういったものなのだろう。事態の急激な変化や転機が、すべての箇所にあった」とウォルフは話す。
「ガレージではチーム全体の感情が、まるでジェットコースターのようになっていた。ルイスが今季初優勝をもたらしてくれたことを本当に嬉しく思っているが、完璧なレースをしていたバルテリのことを思うと、同じくらい落胆してもいる」
「両者が表彰台に上がることが確実であるかのような状態から、突如として1ー2でフィニッシュできる可能性が浮上した。バルテリにパンクが起きて、その可能性が消え去る前まではね。それでもレースには勝てる状態だった」
レース展開そのものは、劇的な結末を除いては、おおよそ計画通りであったとウォルフは言う。メルセデスはボッタスをできるだけ長くコース上にとどまらせ、セーフティカーの導入にかけていた。
「戦略は試行錯誤で学ぶものだ。タイヤ次第で、どうなるかなんて分からないのだから」とウォルフはSky Sportsに語った。
「彼(ボッタス)は速かった。最後までコース上にとどまることもできたし、通常通りの戦略でも勝てるチャンスは少しあった。なぜならセバスチャン(・ベッテル)との差は大きくなく、我々はどちらにしてもウルトラソフトで走っていた」