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F1 ニュース

投稿日: 2018.06.20 08:52
更新日: 2018.06.20 11:48

【トロロッソ・ホンダ/ガスリー密着コラム】アップグレード版PUへの載せ替えを直談判。レッドブルの決断にも貢献

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F1 | 【トロロッソ・ホンダ/ガスリー密着コラム】アップグレード版PUへの載せ替えを直談判。レッドブルの決断にも貢献

 2018年、ホンダF1はトロロッソと組んで新しいスタートを切った。新プロジェクトの成功のカギを握る期待の新人ピエール・ガスリーのグランプリウイークエンドに密着し、ガスリーとトロロッソ・ホンダの戦いの舞台裏を伝える。

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 ほぼ毎レースのように、山あり谷ありの展開となっているピエール・ガスリー。初めてのカナダでも、アップダウンの激しい週末を送った。

 ホンダ期待の改良版パワーユニットで走った初日。FP1でいきなり10番手の速さを見せ、幸先のいいスタートを切る。ところが午後のFP2は18番手。ガスリー自身は「エンジンマップのセッティングを間違えたようで、パワーが出なかった」と言っていた。

 ところが田辺豊治テクニカルディレクターにその話をすると、「え?」と、ちょっと意外そうな表情をした。

 その話題はそこで終わったが、田辺エンジニアのリアクションがちょっと気になった。あとで他の関係者に聞いたところでは、どうやらガスリー自身が操作を間違えたというのが真相のようだ。田辺さん、大人の対応だな。ていうかガスリー、他人のせいにしちゃダメでしょ。

 そして二日目。FP3終了直前に、パワーロスの症状が発生。予選まで2時間しかなく、原因を調べているヒマはない。とりあえず旧仕様のパワーユニットに載せ換えて出走したが、遅いクルマに引っかかる不運もあってQ1落ち。16番手に終わった。

 するとその晩のガスリーは、ホンダとトロロッソ双方の幹部エンジニアに、改良版でレースを走りたいと直々に訴えたのだった。図らずも新旧両バージョンを同じサーキットで走ったことで、新型のパフォーマンス向上が実感できた。なにより次戦は、ガスリーの地元フランスGPである。なのでカナダでパワーユニットを交換して、グリッド降格のペナルティを済ませておきたかったのだ。

 最後列19番グリッドからスタートしたガスリーは、入賞まであと一歩の11位完走に終わる。けれどもレース後の本人は、晴れ晴れとした表情だった。「ストレートでフォース・インディアとハースを抜いた。そんなこと、今までならありえなかった」。

 投入したばかりの新型にトラブルが出るなど、信頼性には依然として不安が残る。しかしこれについてもガスリーは、「でも同じ仕様できっちりレースを走り切ったし、フランスGPまでに原因を突き止めて対策してくれるはずだ」と、ホンダへの信頼は揺るぎない。


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