メルセデスF1チームのトップであるトト・ウォルフは、フェラーリのマシンはホッケンハイムのストレートでメルセデスよりもコンマ5秒も速かったとして、当惑を示したものの、自分たちのマシンの向上に集中していかなければならないと語った。
バルテリ・ボッタスはメルセデスの母国GPでポールポジションを獲得すべく予選で全力を尽くしたが、セバスチャン・ベッテルに次ぐ2番手のタイムに終わった。
確かにフェラーリは最近、ハイブリッドエンジンからより多くのパワーを引き出すことに成功している。今シーズン初め、フェラーリがバッテリーとERSの使用について違反を犯しているのではないかという疑念が持ち上がった。規則ではパワーユニットのMGU-Kが生み出せるパワーは120kWに制限されているが、フェラーリのエナジーストアはツインバッテリー構造を使用しており、これによって、FIAの標準センサーに検知されることなく、許可されている以上のパワーを得ているとの推測だった。ただしFIAは違反の証拠は見つかっていないことを明らかにしている。
ウォルフは、メルセデスはライバルのゲインよりも自分たちのパワーユニット改善に注力していると主張する。しかしフェラーリには明らかなアドバンテージがあり、これがメルセデスを困惑させているという。
「彼らは素晴らしいパワーユニットと、多大なパフォーマンスを手にしている」とウォルフは困惑した様子で認めた。
「我々はどういったタイプのコーナーでも好調に走れるが、彼らのストレートでのパフォーマンスに拮抗することができていない」
ドイツGPの予選でハイドロリック系のトラブルに見舞われQ1止まりとなったルイス・ハミルトンは、ストレートでの差は0.3秒ほどだと考えている。しかしウォルフは、差はそれ以上だと話す。