破産申請をしていたフォース・インディアF1チームが、カナダの大富豪ローレンス・ストロール率いる資本家連合に売却されることに決まったが、入札に参加し落選した企業のうち一社が、管財人主導による入札交渉の手順に疑問を呈している。
ローレンスの息子でウイリアムズのドライバーであるランス・ストロールは、今回の買収により遅くとも冬期のオフシーズンにはフォース・インディアに移籍するものと見られている。
フォース・インディアは、チームの最高幹部が支持した今回の買収で管財人の管理下を離れることになったため、今週末に開催される第13戦ベルギーGPに通常と変わらない体制で参戦することになる。
しかし、フォース・インディアの経営権取得に向けて入札に参加した複数の企業のうち、ロシアの化学品メーカーであるウラルカリ社は、管財人が同意した今回の債務管理契約はチームにとって最適とは言いがたい、とする声明を出した。
8月21日付の声明で同社は、「ウラルカリ社は、管財人が主導した債務整理の手順が、フォース・インディアの債権者、その他関係者、またこのスポーツの利益に最もかなっているのか疑問だと考える」と述べた。
同社はまた、フォース・インディアの資産に対して投資、またはこれを取得するという同社独自の提案を策定するために「専門家によるチームを立ち上げた」とも付け加えた。伝えられるところでは、メンバーにはマクラーレンの元チーム代表マーティン・ウィットマーシュも含まれていたという。
「提案はいずれも、すべての債権者からの請求を全額保証するに十分な資金を拠出するものであり、またフォース・インディアの成功を確実なものにするために、多額の運転資金と新たな5カ年の投資プログラムを提供することも約束している」