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F1 ニュース

投稿日: 2018.09.11 12:13

【トロロッソ・ホンダF1コラム】ライバルとのパワー差があっても戦えることを証明した高速2連戦

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F1 | 【トロロッソ・ホンダF1コラム】ライバルとのパワー差があっても戦えることを証明した高速2連戦

 夏休み明けの高速連戦、F1第13戦ベルギーGPスパ・フランコルシャンと第14戦イタリアGPモンツァでトロロッソ・ホンダは快走を見せた。スパでは9位入賞を果たし、予選Q1突破すら難しいと思われていたモンツァではQ3進出を果たした。

F1第13戦ベルギーGP ピエール・ガスリー
F1第13戦ベルギーGP ピエール・ガスリー

 この2戦で改めて浮き彫りになったのは、最速コーナリングマシンである現行F1マシンの速さを決する最大の要素は空力性能であり、高速サーキットといえどもパワーユニット(PU/エンジン)の非力さは致命的な要素とはならないということだ。

 他チームがスパでモンツァと共用のリヤウイングを使用する中、トロロッソ・ホンダはモンツァ用のウイングを持ち込んでおらず、それよりもダウンフォース量とドラッグが大きなレッドブルリンクやカナダで使った空力パッケージで走行していた。そのため最高速は伸びず、チームは苦戦を覚悟していた。

 しかし各チームが実際に走ってみると、全開区間が主たるセクター1と3を優先するよりも、ダウンフォースを付けて中高速コーナーが連続するセクター2でタイムを稼いだ方がラップタイムが速くなるということが明らかになり、多くのチームがその方向へとシフトしていった。結果的に、これがトロロッソ・ホンダに味方することになった。

「レース週末の中で予選あたりから周りのチームがダウンフォースをつけ始めてきて、我々のセクター1と3の不利が小さくなったことがレースに向けて良いポジションにつけることに繋がったのではないかと思います。全体的にダウンフォースを付ける方向に行って、我々としてはセクター2できちんと走れるセットアップを施した状態でもストレートで簡単に抜かれてしまうということにならなかったのは幸運でした」(田辺豊治ホンダF1テクニカルディレクター)

 モンツァでは専用の薄いリヤウイングを投入したが、ダウンフォースの少ない状態で初日金曜のフィーリングはふたりとも良くなかった。そのためコーナーが多いセクター2のタイムが遅く、下位に低迷した。

「気持ち良く走れる状態ではなかった。問題はリヤのスタビリティだね。マシンが予測不可能な挙動を示すんだ。マシンバランスに一貫性がなくてコーナーごとにマシン挙動が違って、マシンがどんな反応を示すか予測ができない。同じコーナーでも毎周リヤのステップアウトの仕方(グリップの抜け方)が違ったりね。限界ギリギリまでプッシュするのには理想的な状態ではなかったよ」(ピエール・ガスリー)

「モンツァ専用のリヤウイングもすごく良くてドラッグはかなり削減されている。セクター2で大きくタイムロスをしているから、あまり最高速を犠牲にしない範囲でいくらかダウンフォースを付けてどれだけ稼げるかを考えなければならない。ストレートが長いとはいえ、中高速コーナーもあるのがモンツァだからね。その最適な妥協点を見出すのが重要になるんだ」(ブレンドン・ハートレー)

「セクター2でどう稼ぐかが課題なんですが、セクター2で稼ごうとするとダウンフォースを付ける方向になってセクター1と3が落ちてきてしまうと思われるので、そこのバランスを上手く取れるかどうかですね。あとは立ち上がりのトラクションも必要ですから、脚回りをいかにセッティングできるかというところに掛かってくると思います」(田辺テクニカルディレクター)

■モンツァで手ごたえをつかんだマシンのセットアップ


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