今年の夏、2018年シーズン限りでいったんF1から姿を消すことを発表したフェルナンド・アロンソ。所属するマクラーレンの発表は「アロンソは2019年シーズンのF1を走らない」というもので、『引退』という二文字は使用しなかった。アロンソ本人も「チームは今後、もっと強くなるだろうし、そうなればF1に戻る可能性はある」と、2020年以降のF1復帰に含みを残している。
しかし、1981年にスペイン・アストゥリアス州オビエドで生を受けたアロンソは、今年の7月に37歳になった。現役レーシングドライバーとして、アロンソに残された時間はそう長くはない。2018年シーズンの戦いが最後のF1になったとしても、不思議はない。
2005年にルノーのマシンを駆って、当時のF1史上最年少チャンピオンに輝いたアロンソは、翌2006年に皇帝ミハエル・シューマッハーと壮絶なタイトル争いを繰り広げた末に、2連覇を達成。偉大なチャンピオンたちの仲間入りを果たした。
だが、その激しい感情から、チーム内で波風を立てることも少なくなかった。2連覇を達成した後に移籍したマクラーレンでは、チームメイトのルイス・ハミルトンと骨肉の争いを演じ、居場所を失ったアロンソはわずか1年でチームを去った。
その後、ハミルトンは4度チャンピオンに輝いたが、「おそらく僕が対戦したなかで最も手強いドライバーであり、F1史上で最も偉大なドライバーのひとりだ」と、いまもアロンソの実力には一目置いている。
そのアロンソにとって、2018年のF1日本GPは特別なレースとなる。鈴鹿は小さな頃アイドルだったアイルトン・セナが愛したサーキット。その鈴鹿でF1を走らせるのが、今回が最後になるかもしれないからだ。