先週末のF1アメリカGPで8位入賞を果たしながら、燃料流量の規定違反で失格になってしまったエステバン・オコン。なぜそんなことが、起きてしまったのか。また、昨年はペレスファンから脅迫されていたメキシコでの今年の様子や、2019年の見通しなど、レース前のリラックスした雰囲気の中で語った。
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─アメリカGPでの撚量規制違反について、詳しく説明して下さい。
オコン:単純な話でね。レース前の燃料流量の調整を間違えたんだ。それでスタート直後に、ほんの一瞬規定の流量を大きく超えてしまった。それでパフォーマンスが有利になったようなことは決してないんだけど、でも規則は規則だからね。ミスを犯して、レース失格になった。そのこと自体に、文句を言うつもりはないよ。
─つまりエンジニアが、燃料流量のプログラミングを間違えたということ?
オコン:まあ、そういうことだね。予選中も同様のミスを犯して、スチュワードに呼ばれた。それは幸い、ペナルティは受けなかったけどね。レースに向けてもっと細部を詰めるべきだったと、今は思ってるよ。
─オースティンは燃費がきつくて、エンジニアから何度もリフトオフを求められていましたね。
オコン:マグヌッセンほどじゃないよ(笑)。その部分は、僕は合法だったから(注:ケビン・マグヌッセンが撚量違反で失格になったことへの皮肉)。
─メキシコはオースティンに比べれば、燃費は大丈夫?
オコン:全然、大丈夫。オースティンは全21戦の中でも、かなりきつい部類だから。
─一方でメキシコは、エンジンやブレーキに過酷なコースです。
オコン:ドライバーにとっても、すごく厳しい。ここに限らず一発アタックの時は、ほとんど呼吸を止めてプッシュするのが普通なんだ。その方が集中できるからね。で、ここは空気が薄いから、アタックのあとすごくキツい。思い切り息を吸っても、心臓のバクバク状態がなかなか治らないからね。冬の間、高地トレーニングもずいぶん重ねたけど、あれからかなり時間が経って、もう高地順応は終わってるだろうしね。
─普通に行動してる分には、全然問題ない?
オコン:空気の薄い環境に早く慣れようと、オースティンからすぐにこちらに移動したしね。ジョギングするくらいだったら、全然問題ないよ。来てからのトレーニングも、心拍系のメニューを増やしたし。チャリティのサッカー試合にも参加したけど、あれもトレーニングとしてすごく良かったね。
─勝ちました?
オコン:もちろん。僕も1点いれたし(笑)。
─実際にトレーニング中の心拍は、平地よりかなり上がる?
オコン:ジムで計測したら、凄かったよ。
─きついのは予選アタックだけで、レースは大丈夫?
オコン:いや、実はスタート直後の数周が、一番心拍数が上がる時なんだ。緊張と、他のクルマとのバトルが重なるからね。去年はそこで、空気の薄さを感じたね。それ以降は、平気だったけど。