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F1 ニュース

投稿日: 2018.11.05 12:51

パドック裏話 アメリカ&メキシコGP編:リカルドから笑みが消えた不運極まる2連戦

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F1 | パドック裏話 アメリカ&メキシコGP編:リカルドから笑みが消えた不運極まる2連戦

 ちょっと毒舌なF1ジャーナリストがお届けするF1の裏話。今回は2018年F1第18戦アメリカGP、2018年F1第19戦メキシコGP編です。

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 このコラムの路線が「毒舌裏話」であることは承知している。だが、本稿の読者も含めて、最近のダニエル・リカルドを気の毒に思わないF1ファンは、おそらくひとりもいないだろう。

 リカルドはグリッド上で一番人気のあるドライバーのひとりだ。熱烈なファンに限らず、一度会えば誰でもすぐに魅了されることだろう。彼の顔から満面の笑みを消すのは、ほとんど不可能のようにも思える。ただ、このところレースでは不運続きで、彼らしくない不満気なダニエルを目にする場面があまりにも多い。

 リカルドの現時点での成績には、奇妙なほどの偏りがある。2018年シーズンここまでに彼は2勝をあげている。勝ったのは中国とモナコ、つまり開幕から6戦目までのうちのふたつだ。ところが、その後は一度もポディウムに上がっていない。今年のリカルドは、お立ち台の最上段に上がるか、さもなければ表彰台へ行くことさえできないかのどちらかなのだ。

 日本GPは、あと一歩でポディウムに上がれた「ニアミス」のひとつだった。予選で信頼性の問題に見舞われながら、リカルドは素晴らしいパフォーマンスを発揮して4位でフィニッシュした。結果としてトロフィーはつかめなかったものの、彼はそれまでよりずっとポジティブな気分で、次のアメリカでのレースへと向かった。

 どれほどポジティブだったかって? 彼のやる気は、レッドブルのアメリカGPプレビュー動画の撮影中、ずっと彼なりの「テキサス訛り」でしゃべり続けるという、ひとかたならぬサービス精神を披露したことを見ても明らかだった。

 リカルドはアメリカが好きで、近年はかなりの時間をあの国で過ごすようになっている。2014年のアメリカGPで彼が披露した見事な口ヒゲを、憶えている人も多いだろう。また、昨年はメキシコのレースの後、NASCARのレース観戦のためアメリカにとんぼ返りしたほどだ。

 よって、レースの週末を迎えてオースティンに到着した彼の顔に、いつものスマイルが戻っていたのも何ら不思議なことではなかった。木曜の記者会見に出席したリカルドは、そこでもテキサス訛りを使って話してやろうと手ぐすねを引いていた。そして、ドライバーたちに、F1はどうすればアメリカでもっとビッグになれるかという質問が出ると、リカルドはここぞとばかりにこう答えた。

「今のところ、F1にはアメリカ人ドライバーがいない。だから、僕らがこうしてアメリカ人のアクセントをまねて、できるだけ彼らの期待に応えようとしてるのさ。他のみんなが乗ってくるかどうかは知らないけど、僕は全力でやってみるよ。どのくらいウケるか見てみたいし」

 部屋中が笑いに包まれるなか、リカルドに向けて、そう来るのは予想していたという声が上がると、彼はこう答えて笑った。「ああ、お待ちかねだったんだね!」

 残念なことに、彼が週末を楽しめたのはそこまでだった。レースではいい位置につけていながら、序盤のうちに信頼性の問題でクルマを止めざるをえなかった。

■パドックに戻ってすっかり落ち込むダニエル・リカルドは続くメキシコGPでも……

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