予選でブラジルGPのポールポジションを奪ったルイス・ハミルトンは、そのままレースをリードし順調に勝利への道をひた走っているかに見えた。しかしレッドブルのマックス・フェルスタッペンが驚異的なペースで追い上げ、4周目にはセバスチャン・ベッテルまで抜いて3位に上がってきた。
メルセデス(以下:MGP)「VER(フェルスタッペン)がP3、BOT(バルテリ・ボッタス)の後ろに来た。VET(ベッテル)はP5」
ハミルトン(以下:HAM)「VERのタイヤは?」
MGP「彼も君と同じSS(スーパーソフト)だ。デフINIT6を使え」
メルセデスAMG勢はタイヤのグリップが低下してペースを抑えながらの走行。しかし9周目にはラバーが安定しグリップが戻ってくる。
HAM「タイヤはまた戻って来たみたいだ」
MGP「OK、状況を見てみよう」
10周目、フェルスタッペンはボッタスまで抜いてついに2位に浮上。ハミルトンのペースは「ハハハ、全然遅いよ!」と余裕をみせる。しかしハミルトンも慌ててはいなかった、
MGP「後ろはVERになった。ギャップ2.2、ペースは14.3」
HAM「タイヤはOK。ペースを上げることもホールドアップすることもできそうだ」
MGP「リヤの摩耗によって温度が下がってきたようだ」
19周目、メルセデスAMGはハミルトンをピットに呼び入れる。しかしハミルトンはミディアムタイヤのフィーリングが思わしくなく、ピットストップが早すぎたのではないかと苛立ちを見せる。
HAM「タイヤのフィーリングが良くない」
MGP「了解。とにかく温度をマネージメントしろ。VERは13.7」
HAM「ピットストップが早すぎだよ」
MGP「アンダーカットを阻止するためだ」
HAM「リードを失っていない? 彼はもうピットインした?」
MGP「まだだ。我々は彼に対してゲインしていっているよ。彼はまだ2.5秒ピットウインドウ内だ」
HAM「前のヤツらを引き離しているのかどうか、情報をくれ!」
MGP「VERは13.1、彼と同じペースで走れている」
HAM「OK、他の情報も教えてくれ。VERはピットウインドウ内なのか?」
MGP「0.7秒ウインドウ内だ」
HAM「どうしてそれをもっと早く教えてくれないんだ」
MGP「VERは13.6。このペースならOKだ。ストラットモード6にしろ」