スペイン在住のフリーライター、アレックス・ガルシアのモータースポーツコラム。2019年に手を組むレッドブルとホンダは、いかにしてメルセデス、フェラーリと戦える常勝軍団に上り詰めるのだろうか。
———————————
レッドブルとホンダの名前をモータースポーツに関連づけて考えるとき、必然的に近年または昔の成功について思い起こすことになる。しかし過去数シーズンは、両陣営とも常勝街道に戻ることができていない。
レッドブルは優れたマシンがあるのにルノーのエンジンパワーが不十分な一方、ホンダはパワーユニット開発を助けてくれる強力なパートナーに欠けていた。リソースは問題にはならなかったが、人生ではしばしばそうであるように、適切なパートナーがいなければどこへも進めないのだ。
そして皮肉なことに2017年限りでホンダと別れたマクラーレンがルノーがパートナーとなり、一方レッドブルがホンダと組む道が開けた。たとえそれがまずトロロッソを通じた移行の年を経なければならなかったとしてもだ。
2018年シーズンを通してホンダとトロロッソの関係を我々は見てきてが、来年に向けて明るい兆しを感じる。レッドブルとホンダにはリソースとノウハウがあり、来年のコンビはより早い進展を見せることになるだろう。
しかし、もっと興味深いのは、我々が2019年に目にする、F1におけるレッドブル運営の合理化だろう。
すでに勝てるチームである彼らは、現時点で強力かつ効率化されるように見える。過去2シーズンでは優位に立っていたメルセデスとフェラーリだが、彼らが一対一で対決する日々は終わりを告げるかもしれない。
レッドブル・ホンダが優勝争いをするうえで重要な点がいくつかある。まず最も大きな変化は、2019年にF1では重要なレギュレーション変更があるということだ。それは2017年の時ほど急進的なものではないが、それでもかなり大きな変化ではある。なぜなら近年のF1で重要な要素のひとつである複雑なフロントウイングの簡素化が含まれているのだ。
大きな変更は常に序列を一新する新たなチャンスをもたらす。だがエイドリアン・ニューウェイは特にこうした状況を得意とする。良い例が、2009年に彼がレッドブルRB5を勝てるマシンに作り上げたやり方だ。
08年までのレッドブルは、タイトルを争うことができていなかった。マシンは、もともとはダブルディフューザーを備えていなかったものの、09年には突如としてブラウンGP並に競争力のあるマシンになりランキング2位となった。そして2010年以降の4連覇を達成する礎となったのだ。
このことは基本的に、2019年のレッドブルRB15が特に強力なマシンになるチャンスがあることを意味している。またホンダがトロロッソと1年以上にわたって仕事をしていたため、レッドブルはホンダのパワーユニットに合わせてマシンを設計するのに必要不可欠な情報を、すべて持ち合わせていることは明白だ。統合は簡単だろう。そのことを証明するために、実際にマシンをコースで走らせる必要があるとしてもだ。